2025年モデルのスピニングリールの進化を確認すべく、LINGXIよりも少し安めで、剛性感がありそうなスピニングリールを購入しました。
ちなみにLINGXIと同じタイミングで購入したが、到着したのは9/16
リールのページの概要は以下。
概要(翻訳版)
【主な特徴と利点】
超スムーズなロングキャストシステム
傾斜リップ付き金属スプールにより摩擦を20%低減。60mを超える飛距離を高精度で実現。ラインの絡まりとはおさらばし、トロフィークラスのバス・トラウト・大型の海水魚に挑めます。
【戦闘仕様の密閉構造】
IPX8防水性能と防錆コーティングが、砂・塩分・水しぶきから内部を強力に保護。サーフキャスティング、カヤック釣行、磯場での使用にも最適。使用後は水洗いして、次の大物に備えましょう。
【プロ仕様の操作性】
10+1のステンレスベアリングと磁気ブレーキで、極めて滑らかな巻き上げとバックラッシュゼロを実現。瞬時のドラグ調整により、強烈なファイトでも暴走を制御し、ライン切れを防ぎます。
【オールラウンド対応】
淡水湖、汽水域、外洋まで幅広く対応。左右切替可能なハンドルで利き手を問わず快適に操作可能。大容量スプールは30lbブレイドラインを最大300m収納し、ディープジギングからルアー大会まで対応可能です。
バックラッシュ?磁気ブレーキ?とスピニングリールとは関係無さそうな文言が出てきている。
デザインは何処かで見たことあるな?と思ってgoogleの画像検索を行うと
バンキッシュがヒットしました。
ULTRA Xの諸元が記載されていたので転載。
今回購入したモデルが3000Sのシングルハンドルバージョン。
カタログ重量は226gと高剛性リールとしては標準的な数値か?
軸数(ベアリング)7+1と書いてあるが、概要には10+1のステンレスベアリングと書いてあった。
「30lbブレイドラインを最大300m収納」ラインキャパも明らかにおかしい。
どうやら【概要】に書かれている内容は当てにならないようだ。
では実際に到着した商品を見ると。
箱はプチプチで丁寧に梱包されており、潰れてはいない。
左面には搭載されている機構と諸元が記載されている。
反対側にはリールの概要が記載されている。
少し箱が潰れている。
ちゃんと梱包しても輸送で潰されるようだ
箱を開けると爆炸図がプリントされている。
箱が捨てれない。
内容物は、リール本体とハンドルが入っている。
詳しくリールを見ていくと、リールの逆転レバーが付いている。
正直逆転レバーは使ったことが無い、と言うか何に使うのかが解らない。
ハンドルはカシメタイプの為、ベアリングを入れる事は出来ない。
この辺りはSITAILAと同じ。
ハンドルをリール本体に装着するとこんな感じ。
見た目は悪くない。
スプールの上部をよく見るとそれなりに深い溝の様な構造になっている。
デザイン優先だと思うが、ゴミが入ると取りずらいと思う。
ベールは普通のベールでワンピースベールは搭載されていない。
ラインローラーもスムーズとは言えない。爪で動かしても回らない。
スプールシャフトには、ベアリングが2個搭載されている。
ここは良い所。
ボディとスプールの境界に位置する所のパーツ(水侵入防止)部分の取り付けはネジなのだが、取り付けの隙間が空いている。
まあ、問題は無いと思う。
スプールの内部構造
ドラグはフェルトが3枚の豪華仕様になっている。
実際にドラグ性能もそこそこ良さそう。
スプール側は多重構造のドラグを格納する為に結構深い構造になっている。
こちらにはベアリングが入っていない。
スプールには各種情報が刻印されており、初めてメーカー名が解る様になっている。
重量を計ると、225.67gと、カタログ値の226gと非常に近い。
重量的には問題無い重さ。
比較の為にSITAILAも計ると269.54gと結構重い。
これぐらいの重量になると明確に重いと感じる。
同じ3000番のSITAILAと比較すると、スプールのサイズは近いが、ボディのサイズが一回り小さい。
この辺りが重量の差に出ているか。
比較対象としては、LINGXI(2500番)、LA2500(2500番)、SITAILA(3000番)、21アルテグラ(3000番)、と比較する。
剛性として重要なのは、メインボディの剛性(フットとボディの剛性)とローターの剛性
どちらもリーリング時のたわみが発生し、巻き上げ力が低下する。=魚が取れない
巻き上げ力が弱いとリールが巻けない事が実際に発生する。
リールフットを持ってボディを捩る。ローターのベースを両サイドから摘まむ事で剛性を確認する。
リール | メインボディ剛性 | ローター剛性 |
ULTRA X | たわみが無い。 | 3位:少したわむ |
SITAILA | たわみが無い。 | 4位:弱い |
LINGXI | 若干たわむ程度 | 2位:若干たわむ |
LA2500S | 若干たわむ程度 | 5位:弱い |
21アルテグラ | 若干たわむ程度 | 1位:若干たわむ |
比較するとボディ剛性に関してはメタルボディの優位性が勝っているが、カーボンボディの他のリールも十分な剛性がある。
一方ローターに関してはメタルボディのリールは強化樹脂なのか、思ったよりも剛性が無い。
全てカーボン素材のリールが一番剛性がある。
ULTRA Xに関しては、問題が無いぐらいの剛性はある。
負荷が掛かっていない状態での評価。
剛性があるリールだと、負荷がかかっても巻きが軽いが、そこまで検証できないので、空回しでの評価となる。
リール | 巻きの軽さ | 巻きの滑らかさ |
ULTRA X | 5位:重い | 5位:少し雑味がある |
SITAILA | 4位:割と軽い | 3位:かなり滑らか |
LINGXI | 2位:軽い | 2位:かなり滑らか |
LA2500S | 3位:軽い | 4位:少し雑味がある |
21アルテグラ | 1位:軽い | 1位:雑味0 |
巻き心地に関しては、ローターの重量が巻きの軽さに繋がるので、小型リールの方が有利。
ULTRA XとSITAILAと21アルテグラは3000番なので不利。
巻の滑らかさは、ギアとクロスラップなどの機構でそれなりに変わる。
実際に比較すると、やはり巻き心地は国産のリールが圧倒的に良い。
25LINGXIもかなり良い線はいっているが、国産のアルテグラと比較するとどうしても一歩劣ってしまう。
中華リールだけで比較すると、重量級のリールが不利であるが、25年の最新モデルであるLINGXIが一歩抜けて良いと感じる。
SITAILAに関しては重量級でありながら上質な巻き心地が感じられる。
ULTRA Xに関しては巻き心地に雑味があり、ローター重量のせいか、巻も重い。
と比較すると差が出るが、実際に釣りをしていて「巻きの悪さで釣りに集中できない」と言う事は無い。
中華リールは値段が安いので、使う用途にマッチしているかが重要。
ドラグを強めに掛けてスプールを回した時の滑らかさで評価する。
リール | ドラグ性能 | 出だしの滑らかさ |
ULTRA X | 3位:動き出してからは一定の負荷で回る | 3位:出だしと通常時の重さがあまり変わらない |
SITAILA | 3位:動き出してからは一定の負荷で回る | 5位:重い。動き出すと一気に滑る。 |
LINGXI | 3位:動き出してからは一定の負荷で回る | 4位:出だしが少し重い。 |
LA2500S※チューニング後 | 2位:回りだすと滑らか | 2位:出だしが少し軽く、回ると負荷が掛かる感じ。 |
21アルテグラ | 1位:滑らか | 1位:出だしと負荷が一定 |
国産のアルテグラは明らかに一段上、中華リール全般に言える事だが、ドラグサウンドの機構に問題があり、音を慣らす為に抵抗が発生する。この抵抗がドラグの滑らかさを阻害している。
超極細ラインの場合、この負荷で切れる事も考えられる。
中華リールだけで評価するとLA2500のドラグチューニング(ATDグリスとフェルト追加)が一番良い。SITAILAのみかなりドラグに負荷を掛けると出だしが重く一気に滑るドラグとなっていた。
ドラグ自体については、ドラグサウンド機構の問題でどのリールも大差が無い感じがする。
国産リールは音は出るが抵抗が無く音が出る為、この性能でかなりの差がある感じ。
ドラグの出だしはドラグを緩めると差が少なくなる為、大体同じぐらいの性能と言う感じ。
実際に使えるドラグ性能か?という所だと、ドラググリスとドラグフェルトが入っていれば普通に使えるレベル。
LA2500の標準状態では細ラインで使う気にはなれない。
ULTRA Xについては、そこまで悪く無いと感じる。
リール | 重量 | 価格 |
ULTRA X | 226g | 2,586円 |
SITEILA | 270g | 3,084円 |
LINGXI | 153g | 5,223円 |
LA2500S | 168g | 3,202円 |
21アルテグラ(※25アルテグラ) | 220g | 11,180円(※15400円) |
秋のセール期間での価格なので、通常時よりも若干安くはなっているが、比較したリールの価格と重量は上記の表の通り。
やはり中華スピニングリールとしては高価格帯に入るLINGXIが性能ではかなり上位になっている。
とは言っても、価格で言えばシマノのセドナ、ダイワのクレストクラス。
本題のULTRA Xについては、自分の購入価格は3200円ぐらいだったが、現在のセール期間ではさらに値引きされて2586円とかなり安い。
ULTRA Xの性能だけを見ると巻き心地は悪いが、他の性能はそれなりに良いので、まあ使える部類いのリールだと思う。
ちなみに重量がそれなりに重いのもプラス。※軽すぎるとロッドとのバランスが悪くなる。