ガイドラッピング

ロッドビルドで大変な作業として、大きく二つ。
一つがこのガイドラッピング。そしてもう一つがガイドのコーティング。
しかし、この2つの作業が終われば、ほぼロッドは完成するので、ここが頑張り所。

ガイドラッピングの事前作業

ライドラッピングをする前にいくつが準備作業があります。

ガイドフット削り

ガイドラッピングする時に、スレッドがガイドフットを上手く登るようにガイドフットの先端部分を削ります。
作業は簡単で、ガイドの先端部分にヤスリ掛けを行います。
削り加減はそこまで削らなくてもOKです。
ヤスリ掛けにより、ガイドフット部分の段差が緩やかになり、スレッドの隙間が出来にくくなります。
ヤスリは硬度の高いダイヤモンドヤスリを使いましょう。

画像右側が削ったガイド、ほぼ違いは分かりませんが、若干ガイドフットが滑らかになっています。
この工程を行うと、ガイドにスレッドを巻く時にガイドがズレなくなり、作業がやりやすくなります。

抜き糸作り

スレッドを巻いていくと、終端部分のスレッド処理が必要となります。
終端部分は抜き糸を使う事で、途中のスレッドを内側に引き込む事ができ、見た目が綺麗になります。

抜き糸は普通のラインを使う事が多いみたいですが、強度と滑りやすさが無いと、抜き糸自体が切れてしまったりするので、お勧めなのはPEラインを使う事です。

4本巻きのPEラインをばらす事で、強度があり滑りも良い抜き糸を作る事が出来ます。

ばらしたPEラインを結んで輪っかを作る感じ。

パーツ通し

ガイドラッピングをしてしまうと、ワインディングチェックや、グリップパーツが後から入れれなくなる為、事前にグリップ回りのパーツをブランクスに通しておく必要があります。
ガイドコーティングする際に邪魔になるので、マスキングテープで止めて動かないようにしておきます。

ガイドラッピング作業

スレッドの巻き方

スレッドの巻き方は、上の画像のように最初はスレッドを交差させます。
ちなみに薄い水色がボビンが付いた側のスレッドです。

交差させた後、端糸を押さえながらボビンが付いた方のスレッドを3回ほど巻き付けます。
最初だけは、ボビン側をブランクスに巻き付けて行きます。

そのあと、両方のスレッドを強く引っ張ると、巻きついた間隔が狭まっていき、端糸を押さえなくてもスレッドが巻けるようになります。
この状態になれば、ブランクスを回転させることでスレッドが巻いて行けます。

ある程度巻いたら、また端糸とボビン側のスレッドを強く引っ張りずれない様にします。
その後、端糸をカットし、ガイドにスレッドを巻いて行きます。

ガイドはホットグルーや、瞬間接着剤などでくっつけてから巻くと楽ですが、無くても巻けます。
自分は、ブランクスに余計なものが付いて、エポキシコーティングの強度が弱くなりそうなので、何も付けずにガイドラッピングを行います。
ちなみにダブルフットを巻く場合は、片方をマスキングテープで固定出来る為、非常に楽です。
一番きついのは、KTガイドの小口径ガイドです。
スレッドを巻く力でガイドが上にスライドして上手く巻けません。

半分ほど巻いたところで、抜き糸を一緒に巻いて行きます。

ガイドの先端部分までスレッドが巻けたら、端糸を抜き輪に通します。

その後、抜き輪を引っ張ると端糸が抜けてくるので、不要部分をカットします。

作業の流れ

ガイドラッピングはトップガイドに近いガイドからラッピングして行きます。
これは、ガイドの並びが一直線になるように確認しながら作業を行うためです。

ちなみにガイドが一直線になっているかどうかは、ロッドビルディング永遠の課題の為、ある程度は妥協しましょう。

画像の場合は、前の工程で印を付けたマスキングテープを基準にガイド取り付けをしています。

画像はスレッドのカットに使ったデザインナイフの刃がいまいちの為、少し毛羽立ちが出ています。
新品の刃に交換すると、スレッドに触れるだけでカットが出来ます。
毛羽立ちは、ガイドコーティング時にエポキシの盛り上がりになる為、極力綺麗にカットしましょう。
多少の毛羽立ちは、ライターを軽く当てる事で解消します。

今回は、黒のスレッドがベースで、シルバーのピンライン、ブルーメタリックで縁取り。
ブルーメタリックのスレッドはエポキシコーティングをするとほぼ見えない為、ちょっとしたアクセント程度で入れています。

後は同じ様にスレッドを巻いて行きます。

ピンラインの入れ方

スレッドを黒一色にすると、高級感が出ないので、シルバーやゴールドのスレッドをワンポイント入れる事で一気に高級感が出ます。

やり方は、ガイド位置の為に貼ったマスキングテープの前後にピンラインで入れたいスレッドをマスキングテープで固定します。

その上からメインのスレッドをラッピングして行きます。

5回ほど巻くとスレッドがズレにくくなるので、そこで端糸をカットし、ピンラインを止めていたガイド側のマスキングテープを剥がし、メインスレッドと一緒に巻いて行きます。
ここは、ピンラインだけ何重か巻いてもOKです。好みで。

ピンラインの巻きが終わったら、ピンラインの上にメインスレッドを巻き付けて行き、普通にガイドラッピングをすれば、ピンラインをうまく入れる事が出来ます。

最後にメインスレッドとピンラインの端糸をカットすれば終了。