AliExpressで売っている、エアリティによく似たスピニングリールLAシリーズ。
正直、高級な見た目とシルキーな巻き心地など、実売価格が4000円程度とは思えないような出来のリールである。
重量も非常に軽く、169gしかない。
ボディ素材はカーボン樹脂。
ハンドルもねじ込み式。
しかし、ドラグが終わっている。
ドラグには、カーボンワッシャーが入っておらず、ストップワッシャーが1枚の乾式のドラグになっており、滑り出しが絶望的である。
今回は、このドラグ性能を改善する事で、真の意味でのハイスペックなリールを目指す。
実際に分解してみると、説明書通りではあるが、非常にパーツが少なく、そもそも滑る部分が無いのでは?と言う、そりゃドラグ悪いよの構造となっている。
※本家のエアリティの構造では、カーボンドラグワッシャーが2段の様な構造で、且つグリスがたっぷり塗られている湿式ドラグの構造になっている。
さらにメインシャフトがかなり細く、少し力を入れるだけで左右に動く構造になっている。
少しの力でスプールが傾く為、ドラグが出る様な強い力が掛かると、歪みが発生しドラグの滑り出しに悪影響を与える。
しかし、ここは改善できない。
あと、シャフトの根本についているのが、ドラグサウンド部分である。上部の出っ張りが、スプールの裏についている波板がついたカップのような構造に入る事でドラグサウンドがなる仕組みとなっているが、これがドラグが滑らかに動かない原因にもなっている。
試しに外してみると、当然音はならないが、ドラグが幾分滑らかになる。
ちなみに23エアリティの分解図を見ると同じ様な構造になっているみたい。
ちなみに手元にあったコンプレックスCI4の構造を見てみると、スプール側に音を鳴らす為の引っかかりが付いており、シャフトに波板の構造が付いている。
ここの設計思想はダイワとシマノで逆。
内径4mm、外径19mmのドラグワッシャー。
正直6個はいらないが、サイズが合わなければハサミで切って使おうと思っていたが、サイズがぴったりであった為、無駄な在庫が発生してしまった。
Amazon.co.jp: B Blesiya 6個セット ドラッグワッシャー 炭素繊維 内径4mm 外径19mm : DIY・工具・ガーデン
台湾からの輸入らしく、到着までに結構時間が掛かった。
使用するのは1枚。
ドラググリスを持っていなかったので、評判のいいドラググリスを購入。
結構な値段がするが、他のリールのメンテに使えると言う事で、我慢。
ちなみにATDはこのグリスの性能が良い事で実現しているみたいなので、かなり重要
Amazon | ダイワ(DAIWA) アルティメット トーナメントドラググリス | ダイワ(DAIWA) | ベイトリールパーツ
掛かった費用は、ドラグワッシャーが1,160円、ATDグリスが2,000円。
合計は3,160円。中華リールに近い価格。
実際にはカーボンドラグワッシャーが1枚で約200円+ATDグリスが100円分ぐらい?の300円ぐらい。
非常に簡単で、ドラグ部分を分解し、元々あるワッシャーの間に購入したカーボンファイバードラグワッシャーを入れるだけ。
2枚入らないかと色々やってみたが、1枚が限界であった。
もう少し薄いドラグワッシャーなら2枚入るかもしれないが、今回購入したワッシャーでは1枚しか入らず。
ドラグワッシャーにATDドラググリスを塗りたくる。青いワッシャー(ストップワッシャー)の裏にも塗る。
※ストップワッシャー自体は一般的に塗らないみたいなので、自己責任で。
そして元に戻すと完成。
※ストップワッシャーを外して、カーボンドラグワッシャー2枚と言うのも面白いかもしれない。
手でスプールを回してみると明らかにドラグが滑らかになっている。
試しにラインを少し巻いて、リールからラインを引っ張ってみると、劇的にドラグがスムーズになっている。
これは実釣で十分使えるレベルのドラグ性能になっている。
5LBのフロロが手元にあったので、瞬間的にラインを引っ張ってみても切れる感じでは無く、スムーズにドラグが滑る感じ。
手もとのコンプレックスCI4でも同じようにラインを引っ張ってみたが、同じような感じ。
2LBぐらいの細糸では無理かもしれないが、十分使えるレベルのチューニングでは無いだろうか。