ガイド考察

富士工業からは販売されているガイドに色んな種類があり、正直どれを使用して良いか解らないと思うので、ガイドの考察を載せようと思う。

ガイドの説明と考察

トップガイドについては、別のページに纏めており、今回考察するのはトップガイド以外。
トップガイドについては、以下のリンク参照。

トップガイド考察

ロッドビルドを行う際にガイドの種類がいくつかあり、どれを使用すれば良いの?と疑問になる人が多いと思います。
ガイドの選定については、ロッドに使用するラインの太さに合わせたリング径を選択する事が前提で、あとはラインの抜けの良さや、重さなどが選定の条件になります。

KTガイド

キャスト時の糸がらみが激減する糸がらみ自動解除フレーム
ベイト、スピニング両用のガイドで、ロッドビルドのメインに使用するガイド。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのR型とSICのS型の2種類。
トルザイトはSICのガイドよりも高価だが、それほどの価格差は無い。

ガイドリングのサイズも豊富である為、ほぼすべてのロッドに使用可能。
フレームの素材もハイテンシルチタンとステンレスフレームの2種類が用意されている。

リング径が小さいガイドはガイドフットが細く強度が心配になるが、ハイテンシルチタンフレームである場合は、強度もそれなりに確保されている。

サイズも豊富で、軽量で良いガイドである。
主にティップとベリーで使用する。
ロッドビルドをする場合は、とりあえずこのガイドにしておくのが良い。

一つ問題点があるとすると、小口径のガイドフットが細く、ガイドラッピングが非常にしにくい事がデメリットとしてある。
ガイドラッピングのしやすさからKBガイドを選択するのもあり。

KBガイド

KTガイドの強化版的なガイドで、ベリー用に使用するガイド。
キャスト時の糸がらみが激減する糸がらみ自動解除フレームも搭載。
ベイト、スピニング両用のガイドでベリー以降の高負荷に耐えられるように設計されたガイドで、ガイドフットの大きさがKTガイドよりも大幅に大きくなっている。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのR型とSICのS型の2種類。
トルザイトはSICのガイドよりも高価だが、それほどの価格差は無い。

ガイドフレームは2種類あり、ハイテンシルチタンとステンレスの2種類。
強度重視で選択する為、ハイテンシルチタンのガイドを選択したいところ。

主に、ベイト用のティップやベリーに使用するのが良い。
へたなダブルフットよりも強度があり、ブランクスの接点もダブルフットより少ない為、ブランクスの曲がりを邪魔しないのでそれなりにお勧めのガイド。

KLガイド

スピニングロッドのバット部分に使用するガイド。
キャスト時の糸がらみが激減する糸がらみ自動解除フレームも搭載。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのR型とSICのS型の2種類。
トルザイトはSICのガイドよりも高価だが、それほどの価格差は無い。

フレームの素材もハイテンシルチタンとステンレスフレームの2種類が用意されている。
フレームの素材により価格差が非常にあるガイドでハイテンシルチタンとステンレスのフレームで3倍ぐらい価格差があるガイド。

ハイトフレームが出るまで主流であったスピニング用のバット用ガイドで、性能的にも良いが、スピニングロッドを作るなら、ハイトフレームのKL-L,M,Hを使った方が良いと個人的には感じる。
ただし、KLガイドには最大サイズの30が用意されているのが特徴。

KL-L,M,Hガイド

スピニングロッドのバット部分に使用するガイド。
キャスト時の糸がらみが激減する糸がらみ自動解除フレームも搭載。
ガイドフットの高さで3種類用意されており、最も高さの低い、KL-L,中間の高さのKL-M,最も高い、KL-Hが用意されている。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのR型とSICのS型の2種類。
トルザイトはSICのガイドよりも高価だが、それほどの価格差は無い。

フレームの素材もハイテンシルチタンとステンレスフレームの2種類が用意されている。
KLガイド同様にフレームの素材により価格差が非常にあるガイドでハイテンシルチタンとステンレスのフレームで3倍ぐらい価格差があるガイド。

ガイドフレームに高さがある為、リールからバットガイドまでの距離に自由度があり、リールに近づけるほど慣性の法則上軽く感じる。

このガイドは、チョークガイドまでを急角度にする設計のガイドで、KRコンセプト用のガイドとなる。

個人的には結構お勧めのガイドでスピニングロッドを作るときは積極的に採用したいガイド。

KWガイド

キャスト時の糸がらみが激減する糸がらみ自動解除フレーム
ベイト、スピニング両用のガイドで、ダブルフットを使う際にはメインに使用するガイド

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのF型、R型とSICのS型、J型の4種類。
トルザイトはSICのガイドよりも高価だが、それほどの価格差は無い。

ガイドリングのサイズも豊富である為、ほぼすべてのロッドに使用可能。
フレームの素材もハイテンシルチタンとステンレスフレームの2種類が用意されている。

最近はLRVガイドなど、バットガイド用の新しいガイドが発売されている為、リールから一番近いバット部分のみはLRVガイドにして、それ以外はKWガイドにするのが良いと思われる。

LRVガイド(ライトリバースガイド)

ベイトロッド用のバットガイド。
神谷プロのデジーノで、バットガイドを逆付けするガイドセッティングがやはり、それに対応する形で富士工業が専用のガイドを出した感じ。
特徴は、ガイドの逆付けを前提とするガイドで、キャスティング時にラインがガイドフレームを叩かないことで飛距離が伸びる事が特徴となっている。

他の特徴としては、富士工業の中のWフットガイドでは最軽量のガイドで、ガイド全体の長さも短い。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのR型とSICのS型の2種類。
ガイドフレームには、ハイテンシルチタンのみが用意される。

ベイトロッドのバットガイドの選択としては、KWガイドとLRVガイドがあるが、値段もほぼ変わらない為、より軽量なLRVガイドが最適解となる。

2024/3/28更新 使用感はかなり良いです。今後ビルドする際はこのガイドを積極的に採用する予定

RVガイド(リバースガイド)

LRVガイドのスピニングロッド用という感じだが、リングサイズによってはベイトロッドでも使用できる。
LRVガイドに対して、大口径が用意されている事と、ガイドの高さが高い。
メーカーの用途としては、ダブルフットのチョークガイド用で、LRVガイド同様のリバース設計で、逆付けを前提とする。

特徴としては、極軽量、小口径、背高、リバースフレーム構造で、キャスト時、および釣行時の糸がらみ回避と糸通りに極めた優れた次世代型の傾斜フレームガイド。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのF型、R型とSICのS型の3種類。
ガイドフレームには、ハイテンシルチタンのみが用意される。

最新型のガイドで、価格が非常に高価
ちなみに最大サイズとなるガイドサイズ40のトルザイトの定価は¥12,800となる。
トルザイトとSICの価格差も大きく、最上級のロッドをビルドしたい人向けのガイドとなる。

ATガイド

ウルトラライトスピニング用のガイド。

見た目通り強度が無い為、主な使用用途は管理釣り場用のスピニングロッドや、アジングロッド用となる。

ガイドリングには2種類の素材があり、トルザイトのR型とSICのS型の2種類。
ガイドフレームには、ハイテンシルチタンのみが用意される。

特徴は見た目通り超軽量の為、パワーが必要ではなく、感度重視での超軽量ロッド用としては最適なガイドとなる。

LDBガイド

PEがキャスティングで使用されるようなった黎明期に登場したガイドで、PEの糸がらみ軽減を目的としたガイド。
今では、KTガイドが登場した事で、使用されることが少なくなったガイド。

ガイドリングはSICのJ型とLH型の2種類。
ガイドフレームには、純チタンとステンレスが用意される。

特徴はガイドが非常に傾斜しており、糸抜けが悪い事。
フレームが純チタンとステンレスのみで強度も低い。
今では使用するメリットがほぼ無い為、使わない方が良いと思う。

特にナイロンやフロロなどのラインでは、糸抜けの悪さが非常に感じられ、キャスティングの飛距離が如実に低下する。

LCガイド(ローライダーガイド)

小口径、背低設計のガイド。

主な使用用途はエギングロッドらしいが、おそらく登場時期がLDBガイドと同時期でLDBガイドとLCガイドのセットで使用する前提になっていると思われる。

ガイドリングはSICのJ型とLH型、Hの3種類。
ガイドフレームには、純チタンとステンレスが用意される。

今更使う事は無いと思うが、あえてメリットを上げるとすると、背低設計により、ラインがブランクスに近づく事で、ブランクスパワーを引き出せる事がありそうだ。

キャスティングでは、背低設計によりラインがブランクスを叩く為、飛距離は出ない。
キャスティングが関係内容な落とし込みの用のロッドには使用できるかもしれない。

LNガイド

ひと昔前のダブルフットガイド。
KWガイドが出てからほぼ使われる事が無くなったガイドで、現在は在庫限りの販売となっている。

ガイドリングはSICのJ型のみ用意される。
ガイドフレームには、ハイテンシルチタンとステンレスが用意される。

普通に考えると使用する事は無いと思われがちだが、KWガイドと違い傾斜していない事で、バットガイドの逆付けに使用できる。

値段はRVガイドよりも少し安いので、お金をけちるなら使っても良いかも。

LKWガイド

KWガイドのライトモデル。Tangle Freeの傾斜ながら、全長が短いK/Wフットモデルの最軽量シリーズ。
ベイトキャスティング用ダブルフットガイド。

ガイドリングはSICのS型のみ用意される。
ガイドフレームはステンレスのみ。

特徴は価格が安い事であるが、メーカーの説明で最軽量シリーズとあるので、トルザイトのガイドリングにこだわらないのであれば、KWガイドよりもこちらを選択しても良いかもしれない。

Yガイド、LYガイド(2020新製品)

KLガイドが出る前に主流であったスピニング用のバットガイド。
Yガイドは在庫限りの販売となっており、販売されているのはLYガイドのみ。

Yガイドは、チタンフレームとステンレスフレームが用意されており、ガイドリングはSICのみだと思われる。
(在庫販売のみで情報なし)

LYガイドは、ガイドリングにOリングが採用されており、2020年に富士工業からリリースされた最新ガイド。

特徴は兎に角安い事。

KLガイドと比較して、リングサイズ30では、チタンフレームガイドのトルザイトが¥4,700、SICが\4,500に対して、1/10の価格の¥470で提供される。

ステンレスフレームのKLガイドと比較しても、\1,300の約1/3の価格になる。

Yガイドは積極的に採用する事は無いが、LYガイドであれば費用面でのメリットが大きい為、選択肢の一部として記憶しておいても良いだろう。

Lガイド

ひと昔前のティップ、ベリー用のガイド。

このガイドは、ガイドフットの強度が弱く、古いロッドでこのガイドを使用しているものを見てみると、ベリーガイドが結構曲がっていたりする。
今ではこのガイドを選ぶべきではないが、このガイドにも新たにOリングのガイドが用意されている。

Oリングのガイドは、LYガイド同様に価格が非常に安い。
ただし、KTガイドであっても、ステンレスであればそれなりに安いので、そこまで選択する必要は無いと思われる。

Nガイド

ステンレスフレームとOリング専用のガイド。

特徴は価格が安い事。
ガイドを安く済ますのであれば、選択しても良いかもしれない。

全体を見渡してみると、ハイエンドのトルザイト+ハイテンシルチタンフレームと、廉価版のOリング+ステンレスの2極化が進んでいるように見える。

普通にロッドビルドを行うのであれば、ティップ+ベリーにはハイテンシルチタンのフレームを使用し、バットガイドにはお財布と相談する形が良いと思う。