2024年 富士工業 新製品情報①

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去年に引き続き、富士工業の新製品情報について紹介します。
一般的なブログでは、新製品のリールなど、一般的なアングラーが欲しがる情報をアップしますが、このブログは超マニアックな富士工業やロッドビルドに焦点を当てた情報となります。
ちなみに今年はフィッシングショーに行ってきたので、各製品について詳しい情報を入手したので解説します。

2024年の富士工業の新製品

2024年の富士工業の新製品としては、大きく2種類、技徳のリールシート関連と、ロッドビルド関連の製品が追加されています。
ガイドセットも追加されていますが、ガイド自体の追加は無い為、今回は紹介しません。

技徳リールシート関連

今回の新製品で、TCH×技徳リールシートがかなり追加されています。
パイプシートとして、6種類。(5種類追加、1種類色違い)
プレートシートとして、1種類(色違い)

技徳リールシートについて

今回フィッシングショーに参加してきたので、TCH×技徳リールシートについて詳しく聞いてきました。
まず、なぜ高価なのか?

●素材
技徳のリールシートは、素材にカーボン樹脂(ダイワのZAION,シマノのCI4みたいな感じ)を使用しており、軽くて高強度。
フードにもチタン素材を使用。チタンは錆びないので、ソルトウォーターで使用可能。

●日本国内で生産
素材の理由だけで、無塗装のパイプシートとの価格差が6倍はおかしいですが、どうやらリールシート作成時の研磨工程で日本人の手作業による光沢研磨があるようです。この研磨により、程よい滑りとグリップ力があるらしい。その人件費でこの価格らしいです。
ちなみに既存のリールシートは無塗装か、塗装による光沢となります。
塗装による光沢の場合は、程よい滑りが無い感じ。

●このリールシートの何が良いのか?
・握り心地はおいておいて、この製品の特長として、既存のリールシートよりもかなり固く、感度が良い。
・既存のリールシートより軽い。
実測値は不明。ちなみにリールシート部分の軽さはロッドのバランスにはあまり寄与しない。
・リールフード形と、リールシートのリールフットとの接触部分の隙間が小さい為、リールのホールド性が高く、横からの負荷に対しても強い構造となっている。
フードのチタン部分も、横負荷に対する強度が目的となっている?(見た目重視では無さそう)

ちなみにこのリールシートはかなり売れているみたいです。正直この値段では売れないと思っていたので意外でした。
このリールシートの製造は人件費がかなり高そうなので、この価格は分かりますが、研磨無しの塗装でごまかした廉価版が欲しい所。カーボン樹脂の場合は研磨無しは無理か?

※注意点
このリールシートの注意点として、リールフットとの接触部分の隙間が小さい事が原因で、付けれないリールが存在します。
確かシマノの14000番以上?だったか、その辺りのリールは付けれない為、注意してください。

パイプシート

今回かなり力が入っていたものがパイプシートになります。
5種類が新規で追加されています。
●FBCS(色違い追加)
フードのチタン部分の色が違うバージョンの追加。
去年の製品と比較して、内径の種類が複数追加されているみたいです。
最終的には4種類の内径製品があり、内径13mm-11mm、13mm-13mm、15mm-13mm、15mm-15mmの4つ。
おそらく、ACSでもあった内部のひだ?みたいなやつで内径を細かく調整できるみたいです。
種類的には内径13mmと15mmの2種類。O/D1が13mmと15mmのやつで違っている為、リアグリップの外径には少し気を付ける必要があります。
ちなみになぜか内径4種類に対して、高さがそれぞれ変わっています。なんで?


●MTCS(新規)
FBCSのトリガー部分が小さいバージョンの追加。
PTSでもあった、マイクロトリガーのバージョン。個人的にはこれぐらいのトリガーで良いと思う。
こちらの内径は2種類。
ベイトフィネス用を想定しているのか、内径は細目になっています。
こちらもFBCSと同様に高さの違いとO/D1の太さが違っているので注意。


●PSLS(新規)
PLSのTCH×技徳バージョン。
サイドの形状はFBCSとは違う感じ。
こちらもFBCSと同様に高さの違いとO/D1の太さが違っているので注意。
ロックナット付の製品もあるが、¥900ほど高価。


●VJTS(新規)
こちらは完全に新規のようだが、PTSの派生版であるPULSに近い感じ。
パーミングサポートシステムのロゴが無いので、違うのか?


●NHSS(色違い追加)
こちらはチタン部分の色違いバージョンの追加のみ。
特に特筆すべき点は無い感じ。


●NVSS(新規)
こちらは新規で、VSSのTCH×技徳バージョン。
FBCSと同様に、内径が4種類ある。
VSSに近いかと思ったが、VSSはサイズが2種類で、16サイズ(内径13mm)、17サイズ(内径17mm)しかないが、NVSSは4種類(13mm、15mm、17mm、19mm)の内径が用意されている。

スピニング用のリールシートで今気づきましたが、意外と内径の小さいリールシートが無い。
VSS16サイズの内径13mmが最小で、その上は、TVSの14mm、IPSの15mmと続く感じ。スピニング用の細身のブランクスに合うリールシートの需要は無いものか?

プレートシート

こちらも色違いが追加されているのみ。
正直違いを見つけるのに5分ほどかかりました。
違いは、シートの右から3つ目のパーツの色が違います。

とここだけ見ると、色違いが追加のように見えますが、実は2023年時点で2種類存在しており、TC-NSという製品が元々ありました。
技徳と言う名前が付いていないバージョン。
これは単純な値上げか?

今回追加されたリールシートは以上。
今回は高級なリールシートにかなり力を入れているみたい。
個人的には、高級志向では無く、ちょっとした遊びに使える様な最新のリールシートが欲しい所。

ロッドビルドメタルパーツ

TCH×技徳のリールシートの充実に伴い、それに合わせるパーツが追加されています。

この辺りの姿勢は非常に良いと思います。
今までは他のパーツメーカーに依存していた為、新しいリールシートが出ても、それに合わせるパーツが市場に無いので、個別に新しいリールシートを買う意味が無い。と言う事がありましたが、富士工業さんがこの辺りのパーツを充実させてくれるのは非常にありがたい。

ただ、今回追加されたNVSSに合わせるグリップパーツが無いのはダメでしょう。
NVSSの説明のページに以下の寸法があったので不自然に思っていましたが、NVSS用のグリップパーツは新規製品に無かったので結局導入は不可になる感じ。
既存のVSSと同じグリップパーツで内径を加工すれば使えるのであれば良いですが、その辺りの説明も無いので、個人ビルダーにはハードルが高い。

あと、個人的にカーボンスリーブは飽きたので、もう少し色んなデザインの奴を用意して欲しい。
シマノとかダイワのフロントグリップみたいな奴。

長くなってきたので、今回はここまで。
次回はロッドビルドの道具関連について書きます。

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