ZANAの特徴は以下
1.【軽量・コントロールしやすい】自重わずか139g、周囲22cmのコンパクトデザインで、最小13cmの片手把持周長に対応。手の小さいユーザーでも片手でスムーズに操作でき、軽量な本体が長時間使用時の負担を軽減する。
2.【SEBSアダプティブマグネティックブレーキシステム】8つの強力磁石で環状磁場を形成し、D4ハードアルミニウムブレーキボウルと組み合わせている。高回転時には自動的に制動力を強化して減速し、低回転時には制動力を弱めて安定性を確保することで、キャスト時のバックラッシュ問題を解決し、3.5gという軽量ルアーのキャストにも対応できる。
3.【素材】アルミニウム合金モノコックフレームは铸造+冷間鍛造の工程で成型され、D4ハードアルミニウムスプール、カーボン繊維ハンドルとサイドカバーなどの軽量高強度素材と組み合わせている。高い剛性と小さな隙間を実現し、軽量性と耐久性を両立させている。
4.【革新的なテーパードホール】セラミックコーティングを施した異形錐孔ラインガイドを採用したデザインで、ラインの導入面積がより広く、挟角がより合理的です。一般的なライン孔に比べて抵抗を大幅に低減し、6+1 個の防水ベアリングと組み合わせることで、ラインの繰り出しがスムーズで引っかかりがなく。さらに、ラインのからまりを防止する構造により、バックラッシュ(炸线)を効果的に回避できます。
5.【ダブルスプールセット】オリジナル汎用スプール(6.2g)+景品の超軽量ベイトフィネス用シャロースプール(5.6g)を搭載。6段階20レベルの微調整機能、ドラグアラーム機能などと組み合わせることで、汎用的な釣り方とベイトフィネスのニーズを両立させ、5-20gのルアーウエイトに対応できる。
と、概要には仰々しく書いているが、中身はMicoro Monster Proと全く同じである。
中身は同じでも、Micoro Monster Proの問題であったノーマルスプールのブレーキ力の改善が行われている所。
AliExpressの販売価格は、9,400円。
Micoro Monster Proよりも少し高いが、使えるスプールが付いている事を考えると安い。

そして、調べてみると、Amazonで普通に販売している!

販売元、出荷元がPURELURE Fishingとなっているので、正規品をメーカーが直販売しているぽい。

とここまではリールの概要であるが、実際に使用してみた感想は以下となる。
パーミング性能
★★★★★
ボディ形状は扁平で全高はかなり低く、パーミングしやすい。シマノの15アルデバランのパーミング感に非常に近い
リールの全長は少し長いが、サイドカップの形状も滑らかで、パーミング時に違和感が無く、釣りに集中できる。
Micoro Monster Proと同形状の為、同じ評価となるが、Micoro Monster Proとの違いは塗装の違いで、ZANAの場合、クリア塗装が行われている関係で、滑りにくく、グリップ力が高い。

キャスト性能
★★★★☆
ZANAの標準スプールと、Micoro Monster Proとシャロースプールを両方試したが、どちらも同じ特性を示している。
まず、飛距離の面で言うと、非常に飛ぶ。
国産のリールよりも飛ぶかもしれない。32mm径であるがそれぐらいの性能がある。
そして軽いルアーのキャスト性能も良い。60mmぐらいのシャッドも普通にキャスト出来て、飛距離も十分出る。
1/2ぐらいのルアーもかなり飛ぶ。
単純な飛距離で言うと、自分が持っているリール(国産・中華問わず)の中でトップクラスの飛距離が出る。
スプールの重量が軽い事で、軽量ルアーから中・重量ルアーまでが気持ちよくキャストできる性能となっている。
キャスト性能が☆マイナスなのは、やはりブレーキの特性。
Micoro Monster Proの標準スプールが改善されていると言っても、初速に対するブレーキ力が足りない。
おそらくPEが前提でセッティングされている事が問題だと思う。
スプールの隙間問題でPEを使用するのが怖いのでフロロを使っているが、フロロの糸の重さがブレーキ力の足りない原因になっている。
Micoro Monster Proのシャロースプール、ZANAの標準スプールともに、ブレーキダイヤル6(MAX)固定にしても油断するとバックラッシュするブレーキ特性となっている。
ちなみに、強風の向かい風の時に空気抵抗のあるルアーはキャストが出来ない。
それぐらいのブレーキ特性。
風が無いor微風の状態でギリギリキャストができる感じ。
その為、初心者には向かないが、サミングが出来る人には非常に飛距離の出るセッティングになっている。
このリールのコツは、キャストの初速のみサミングする事。
すると、途端にブレーキダイヤルが活きてくる。
初速サミングしなければブレーキMAXでもバックラッシュするイメージ。
もともと中・後半にブレーキ力が抜けてくる構造なので、キャストが異常に伸びる。

①インダクトローターが飛び出るマグフォースの構造

②後半ブレーキ力が落ちてくるとFTBの様な可変ブレーキ構造がさらにブレーキ力を弱める。

ブレーキの構造がSVブーストをマグフォースとFTBで実現している構造で、特に後半のブレーキ力の抜けがリニアで伸びるけど、抜けすぎてバックラッシュしない。
これは、逆にバックラッシュも解消しない事にもなり、キャスト前半のブレーキ力の足りなさがカバーできない。
この特性を理解して使いこなせるのであれば、★5の性能。
他にもフルキャスト時にスプールが唸り声を上げないのも良い。
32mmのスプールでこれだけ高回転になると唸り声をあげるリールが多いが、ZANA,Micoro Monster Proはそれが無く、かなり静かなキャスト音となっている。
国産のハイエンドリールまではいかないが、それに次ぐ静粛性も備えている。
キャスト性能に関しては、初心者の扱い易さに難がある為、マイナス☆評価としている。
巻き心地
★★★★☆
巻き心地は普通に良い。
コンクエストの様に物凄く良いわけでは無いが、違和感がないぐらいの巻き心地。
実釣でも巻き心地は変わらず。
国産メーカーにはシマノと言う、ギアに関して世界一のメーカーが居るので、比較すると落ちるが、ダイワと比べても同等の巻き心地にはなっている。
剛性感
★★★★★
メインフレームがメタルである為、剛性感は非常に良い。
自重は138gと軽いが、コンパクトボディとメタルフレームの相乗効果で剛性感はかなり高い。
15アルデバランもメタルフレームであるが、それよりは剛性感を感じる。
剛性感自体には問題が無いが、やはり問題となるのが、ドラグ性能。
Micoro Monster Proでも同じだったが、ZANAも全く同じ。
限界までドラグを締めこんでもドラグが出る。
昔DAIWAのSS SVと言うリールがあったが、これもドラグ性能に問題があった。

ただ、好意的に考えると、超軽量スプールなので、ドラグ力が高すぎるとフルフッキングでスプールが歪むかもしれない。
そう考えると、ドラグ力はこれで良いかもしれない。
コストパフォーマンス
★★★★★
コストパフォーマンスは非常良い。
国産リールのハイエンドリールを使っている人でもこのリールには満足が出来る性能がある。
実際自分は、24スティーズの代わりに使っている。
総合評価
★★★★★
剛性感、軽さ、パーミング性能、キャスト性能、製品の精度など、全体的な性能が非常に優れており、評価としては非常に良い。
唯一弱点があるとすれば、中華リールの問題点である、スプールの糸嚙み問題。
10LBのフロロを巻いているが、バックラッシュ時に微妙に糸嚙みしている感覚はある。
実際に中に入った事は無いが、引っかかりがある感触はある。
ただし、現在保有している中華リールの中では最も良い出来のリールである。
SERSIRのCAST PROと比較すると、ほとんどの面で上回っている。
パーミング性能とブレーキの扱いやすさ以外は、ZANA、Micoro Monster Proが上。
現在、CAST PROの価格がセール期間で6,000円前後で落ち着いてきており、ZANA、Micoro Monster Proの価格が高止まりしている事を考えても、性能的には一段階上になっている。
個人的に現在購入可能な中華リールの中で最もお勧めのリールかもしれない。
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