ガイドコーティングはラッピングしたガイドをエポキシ接着剤で硬化して固定する工程です。
基本的に1発勝負で、初心者が最も不安に感じる工程だと思います。
ガイドコーティングの塗回数について
ガイドのコーティングは1度塗り、2度塗り、3度塗り等、ガイドコーティングを1回で済ますか、2回、3回と回数を重ねるか、ロッドビルドを行う人により様々です。
一般的な塗回数についての解説を行います。
1度塗り
一般的に一番強度が出るが、仕上がりが悪い塗り方
塗り方の基本は、一度に使うエポキシの量を多くし、1回でコーティングを終わらせる塗り方で、一度に大量のエポキシを使う為、スレッドへのエポキシの染み込みミスが起きにくい為、強度が出ます。
その反面、ガイドのエポキシに盛り上がりが出来やすく、仕上がりは悪めです。
これは、ロッドドライヤーで乾かす時に遠心力でエポキシが中心に集まりやすくなる為、卵型の仕上りになりやすいです。
1度塗りでもエポキシの量が足りないと、スレッドがエポキシを吸収してスレッドの糸目が出るようになります。
この辺りは慣れが必要です。慣れてくれば、1度塗りで上手く仕上げると思います。
2度塗り、3度塗り
ガイドへのコーティングを薄く、何度か重ねて塗るやり方です。
仕上がりは綺麗にできますが、1回目のコーティングで、スレッドへのエポキシの染み込みが不十分の為、強度が落ちる場合があります。
1度目の塗りで、スレッドの中まで浸透するギリギリのラインを調整出来れば仕上りは綺麗にできます。
初心者の人は、こちらのやり方でやった方が綺麗に出来ると思います。
ガイドコーティングの準備
ガイドコーティングに必要なもの
①ロッドドライヤー
基本的にエポキシコーティングは、ロッドドライヤーにロッドを設置して回しながらエポキシを塗るので、これは必須です。
仕上りを全く気にしないのであれば不要ですが。。。。
②筆
まあ、エポキシを塗る為の筆。
まあ、無くても何とかなりますが、プラモ用の奴は安い(¥100ぐらい)ので、筆を使いましょう。
③塗料皿
2液性エポキシを混ぜる為の容器。
プラモ屋で売っている、金属製の小皿がお勧め。金属製の場合、下からライターで温める事で、エポキシの気泡を飛ばしたら、粘性を変える事が出来ます。
④エポキシボンド
ガイドコーティング用のエポキシボンド。
こちらは専用の物を用意しましょう。
グリップ接着用の奴は色が付いているので、専用の透明なエポキシボンドを使いましょう。
⑤エポキシ薄め液
はみ出したエポキシボンドをふき取る為に必要な薄め液。
これも必須。失敗しても、薄め液で拭いてしまえば何事もなかった事になります。
⑥ウエス(キムワイプ)
エポキシ薄め液を染み込まして、はみ出したエポキシを拭くために使用する。
ティッシュだと細かい繊維が付着するので、繊維が出ないウエスを準備しておきましょう。
⑦ライター
本当はアルコールランプが一番良いですが、高く、燃料のエタノールも手に入りずらいので、ライターを使います。
使用用途は、エポキシボンドを温めたり、ガイドコーティング後に、ライターの火を近づけて粘性を落として均一化させる為と、割と使います。
ガイドコーティング
ロッドをロッドドライヤーにセットし、各種準備物を用意します。
ロッドドライヤーの下には、エポキシが垂れてもいい様に、新聞紙などを引いておきます。
塗料皿にエポキシの1液と2液を入れて、筆で混ぜ合わせます。
ナガシマのエポキシハンドレットコートの場合、計量カップが要らないので、少量ずつ混合液を作り、足りなくなったらまた追加するやり方をします。
エポキシをしっかり混ぜ合わせると、気泡が出来きます。
塗料皿をライターで下から温めて、気泡を飛ばします。
塗る時また出来るので、軽く飛ばす程度。
ライターで温めると、エポキシが水みたいに柔らかくなります。
柔らかいとスレッドに染み込みやすくなるので、温める事をお勧めしますが、温めすぎると沸騰して逆に気泡ができるので、温めすぎには注意します。
後は、ガイドに塗るだけ、全体にしっかり塗りましょう。
少しでも塗っている場所があれば、エポキシが遠心力で移動して割と均一になってきます。
逆に塗り漏れがあると、そこにはエポキシが流れて行かないので上手くコーティングが出来ません。
注意点は、ガイドリング下の隙間にしっかりエポキシが入っているかを確認しましょう。
一通り塗り終えたら、コーティング箇所の横にライターの火を近づけて、エポキシの気泡抜きとエポキシの粘性を下げて均一に固まる様にします。
※間違ってもエポキシに直接火を触れさせてはいけません。
あと、エポキシコーティングではみ出したエポキシをエポキシ薄め液で綺麗に拭いて、完成。
後は、エポキシが硬化するのを待つだけ。
エポキシの硬化確認
エポキシの硬化は、塗料皿に残ったエポキシで判断します。
塗料皿のエポキシを筆の柄の部分で触ってみて硬化しているか確認し、硬化していたら指で触れてみて、完全に硬化しているかを確認します。
完全に硬化していない場合は、エポキシの表面が濁る感じになります。
表面を爪でひっかいても大丈夫なぐらいの状態になればOKです。
完全に硬化していたら、ロッドドライヤーからロッドを外し、壁に立てかけて、1週間ぐらい放置します。
これで、ガイドコーティング作業は完了です。