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最初の1本を作ってみよう|実例で学ぶロッドビルド

ロッドビルドに必要な工具やパーツが分かったら、次は実際の製作例を見ながら、ロッドが完成するまでの工程を確認していきましょう。

今回は当サイトで製作した「T1100-M40X 2.02m L-M」のスピニングロッドを題材にします。

このロッドは2025年にライトソルト用として製作したもので、ブランクス33g、ガイドには富士工業のFazLiteを採用。カーボンパイプによるグリップ延長を行い、全長約2.27m(7ft5in)のロッドに仕上げています。

製作後は2gのダウンショットや2~2.5号のエギなどに使用し、47cmのバスを釣った実績もあります。

今回はこの実際の製作記録をベースに、部品の選び方から組み立て、ガイドセッティング、コーティングまでの工程を紹介します。

1. 今回の製作例

ブランクスの仕様

使用したブランクスは、Pro Bomeshから販売されているT1100-M40XシリーズのL-Mパワーです。

項目仕様
ブランクスT1100-M40X 2.02m L-M
販売元Pro Bomesh
長さ2.02m(約6ft8in)
継数2ピース
パワーL-M
アクションXF
ルアー重量3~15g
先端外径1.4mm(公称)
バット外径11.3mm(公称)
ブランクス重量33g

このブランクスを選んだ目的は、ライトソルトで使用するLパワーのロッドを製作することでした。

使用するラインはPE0.6~0.8号を想定し、ガイドには小径リングを中心に構成したストローガイドセッティングを採用しています。

実際の製作では、カーボンパイプを利用してグリップ部分を延長しています。

最初の1本では、ブランクスを延長せず、そのままの長さで製作する方法もあります。

グリップ延長には追加の部品と加工が必要になるため、ここでは基本的な製作方法と、実際に行った延長加工を分けて説明します。

実際の製作記事:T1100-M40X 2.02m L-M①

2. ロッドを作るために必要な部品

今回製作したロッドには、次のようなパーツを使用しています。

パーツ実際に使用したもの
ブランクスT1100-M40X 2.02m L-M
リールシートNHSSK15に似た形状のリールシート
グリップEVAストレートグリップを加工
エンドキャップ集積コルク
ワインディングチェック金属製
カーボンパイプグリップ延長用
ガイドFuji FazLite
スレッド黒・シルバー・メタリックブルー

今回の製作例では、既製のEVAグリップを加工して使用しています。

最初から自分でグリップを削り出す必要はなく、既製品を利用すれば加工工程を減らせます。

また、リールシートとブランクスの間には、寸法に応じてアーバーなどの支持部品を使用します。

パーツ購入で確認する寸法

部品を購入する際は、特に次の3か所を確認します。

  • ブランクス先端外径とトップガイドのパイプ内径
  • リールシート取り付け位置のブランクス外径とリールシート内径
  • グリップ取り付け位置の外径とグリップ内径

ブランクスは先端に向かって細くなるため、位置によって外径が異なります。

カタログに掲載されているバット径は、グリップやリールシートを取り付ける位置の外径と必ずしも一致しません。

当サイトでは、SUZUKI BLANKSのRXF-16LB-802を使い、先端外径2.2mm、バット外径11.3mmの仕様から適合する部品を選定した実例を紹介しています。

ブランクスの外径調査とパーツ選定

3. パーツを仮組みする

部品が揃ったら、最初に仮組みを行います。

仮組みとは、接着剤を使用せずにリールシートやグリップなどを取り付け、完成時の位置関係を確認する作業です。

グリップの位置を決める

まず、実際に使用するリールを取り付け、リールシートの位置とリアグリップの長さを決めます。

このときに確認したいのは、実際にロッドを握った状態での操作性と、リールを取り付けたときの重量バランスです。

グリップの位置が決まったら、マスキングテープなどで印を付けます。

リールシートとグリップの適合確認

ブランクスに対してリールシートやグリップが適切に装着できるかを確認します。

内径が大きすぎる場合はアーバーなどで調整し、グリップの内径が合わない場合は適切に加工します。

カーボンブランクス自体を削って寸法を合わせる方法は、強度低下につながる可能性があるため、慎重に扱う必要があります。

実際の製作ではグリップを延長

今回のT1100-M40Xでは、ブランクスの長さが2.02mだったため、グリップを延長しています。

使用したのは長さ30cmのカーボンパイプで、ブランクスとの接合部分を5cm確保しました。

計算上の全長は次のようになります。

2.02m + 0.30m − 0.05m = 2.27m

約7ft5inのロッドになります。

この加工は、ロッド全長やグリップ構造を自由に変更できるロッドビルドならではの方法です。

ただし、延長部分には曲げやねじりによる負荷が掛かります。接合寸法、部材の強度、接着方法などを考慮する必要があります。

初回製作では、グリップ延長を行わず、ブランクスに直接グリップを取り付ける構成でも製作できます。

グリップ仮組とトップガイド接着

4. トップガイドを選んで取り付ける

トップガイドはブランクス先端に取り付ける部品です。

選定する際は、リングサイズとパイプ内径の両方を確認します。

今回のブランクスは公称先端外径が1.4mmです。製作記録では、パイプ内径1.5mmのトップガイドを含むガイドセットを使用しています。

実際に取り付ける際は、接着前にブランクス先端とトップガイドを仮合わせし、適合を確認します。

トップガイドはロッド全体のガイド方向の基準になるため、リールシートやほかのガイドとの向きも考慮して取り付けます。

接着後は、使用する接着剤の指定条件に従って硬化させます。

5. ガイドの構成を決める

今回のロッドでは、富士工業のFazLiteガイドを使用しています。

FazLiteはステンレスフレームを使用したガイドで、比較的低価格で組み上げられることも選定理由でした。

実際に使用したガイド構成

ガイド型番サイズ数量
CCKLFG10H1
BCKLFG5.5M1
CCKBFG53
CCKTFG54
BCKTFG4.52
BCLGFT(トップガイド)4.51
合計12

トップガイドを含めて12個の構成です。

バットガイドには10Hを使用し、その次を5.5M、その先にKB5とKT5などを配置しています。

今回の特徴は、比較的小径のガイドを中心に使用したストローガイドセッティングです。

初めてガイドを取り付ける場合

最初の製作であれば、使用するリールとロッド長に対応したメーカーの参考ガイド構成を利用する方法があります。

当サイトのガイド配置計算機では、ロッド長や使用するリールなどを入力して、ガイド位置の初期値を求めることもできます。

今回のストローガイド構成は実際に製作・使用した独自セッティングなので、異なるブランクスやラインを使用する場合は、配置を再確認する必要があります。

ガイド配置自動計算機(KRコンセプト)

6. ガイド位置を決める

ガイド構成が決まったら、ブランクスへ仮止めします。

ガイドの足をマスキングテープなどで固定し、実際にラインを通して位置関係を確認します。

最初に確認するのは、リールから放出されたラインがどのような角度でガイドを通るかです。

次に、ブランクスへ静荷重を掛け、曲がったときのラインとブランクスの位置関係を確認します。

特にティップ側はブランクスの曲がりが大きいため、ガイド間隔とラインの接触状態を確認します。

今回のロッドは、ティップ部分にガイドを比較的多く配置しています。

製作後の実釣でも、柔らかいティップに対してガイドを多く配置した構成が、ロッドの使用感に影響していると評価しています。

ただし、ガイドの本数や位置はブランクスの曲がり方によって調整する必要があります。

仮止めの状態なら位置を変更できるため、静荷重で確認しながら調整します。

ガイド位置決めの方法

7. ガイドラッピングを行う

ガイドの位置が決まったら、スレッドで固定していきます。

この作業をガイドラッピングと呼びます。

ガイドフットの処理

スレッドを巻き始める前に、ガイドフットの先端を確認します。

フット部分に大きな段差やバリがある場合は、必要に応じて形状を整えます。

ガイドフットを整えると、スレッドが先端から滑らかに乗りやすくなります。

スレッドを巻く

ガイドフットを押さえながら、専用のスレッドを一定のテンションで巻いていきます。

スレッドの巻き終わりは、抜き糸などを利用して処理します。

巻き終わったら、糸の浮きや隙間がないか確認し、ガイドが正しい方向を向いているかを確認します。

今回の製作例では、黒色スレッドをベースに、シルバー3本と外周のメタリックブルーを組み合わせています。

最初の1本では単色スレッドでも十分に製作できます。

ガイドラッピングの巻き始め、巻き終わり、具体的な作業方法は、以下の記事で写真付きで紹介しています。

ガイドラッピング

8. グリップを接着する

仮組みで位置を決めたグリップやリールシートを、エポキシ接着剤で固定します。

接着する前に、部品の取り付け順序と位置を再確認します。

リールシートの内側やアーバーの接合面には、必要な量の接着剤を塗布します。

部品を取り付けた後は、リールシートが正しい方向を向いているか、グリップの位置がずれていないかを確認します。

また、リールシートの可動フードやネジ部分へ接着剤が付着しないようにします。

接着剤がはみ出した場合は、使用する製品に適した方法で取り除きます。

接着後は、メーカー指定の時間と環境条件で硬化させます。

グリップ回りの接着

9. ガイドコーティングを行う

ガイドラッピングが終わったら、ガイド用のエポキシでコーティングします。

【ここに既存記事のガイドコーティング写真を配置】

コーティング前には、ガイドの向き、スレッドの巻き終わり、糸の浮きなどを最終確認します。

ガイド用エポキシは、指定の混合比で正確に配合します。

配合を誤ると硬化不良の原因になるため、使用する製品の指示に従って計量します。

エポキシをスレッドへ塗布した後は、必要に応じてロッドドライヤーで回転させ、コーティングの偏りを抑えながら硬化させます。

今回の製作例でも、ガイドとフックキーパーのコーティングを行い、完成しています。

コーティングが完全に硬化するまでは、ロッドへ大きな負荷を掛けないようにします。

ガイドコーティング

10. 製作に掛かった費用

今回製作したT1100-M40XのFazLite仕様は、低コストで製作することも目的の一つでした。

2025年当時の製作記事に記録されている購入金額は次のとおりです。

パーツ記録された価格
ブランクス4,000円
リールシート1,880円
エンドキャップ365円
ワインディングチェック294円
カーボンパイプ750円
ガイド一式(FazLite)2,970円
小計10,259円
EVAグリップ(購入品の参考価格)1,310円
EVA購入額も含めた合計11,569円

実際にはEVAグリップの端材を使用しているため、製作記事では材料費10,259円を基準として紹介しています。

また、接着剤、スレッド、コーティング剤などの消耗品と工具代は、この金額に含まれていません。

ブランクスはセールやまとめ買いで購入しているため、現在同じ金額で揃えられるとは限りません。

ガイド費用の内訳

ガイド数量記録された金額
CCKLFG 10H1200円
CCKBFG53645円
CCKTFG54746円
その他セット購入分41,379円
合計122,970円

このように、ガイドのグレードや購入方法によって、ロッド全体の製作費用は大きく変わります。

ロッドビルド用品の購入先

11. 完成したロッドはどうなったのか

【ここに既存記事の完成ロッド・実釣写真を配置】

今回の製作記事では、ガイドコーティング完了後、エンドキャップの最終接着前の段階で107.2gを記録しています。

実際に175gのレガリスを取り付けて使用し、先重りも特に問題になりませんでした。

最初の試投では、ブランクス状態で感じた硬さよりも、完成したロッドは柔らかく感じられました。

ティップだけでなくベリーからバットも曲がり、高弾性ブランクスにありがちな硬質な印象は少ないという評価です。

実釣での使用結果

その後、バス釣りでも使用しています。

主に2gのダウンショットリグで使用し、小型バスを10匹以上掛けてもフッキングに問題はありませんでした。

さらに47cmのバスを掛けた際には、4lbフロロラインを使用した状態でも、ロッド全体の曲がりとトルクによって魚の引きを受け止められたと評価しています。

また、ライトソルト用にPEを想定して設計したストローガイドセッティングでしたが、フロロ4lbでも実用上の問題は感じませんでした。

一方で、FazLiteのKL-H10バットガイドについては、ステンレスフレームの強度がやや不足しているように感じられたことも記録しています。

つまり、実釣によってブランクスの特性だけでなく、ガイドセッティングの評価も更新されています。

製作後のインプレッション

12. 同じブランクスでガイドを変更するとどうなるか

このブランクスでは、FazLite仕様のほかに、トルザイトリングとチタンフレームを使用した別のロッドも製作しています。

2本目はバス釣り専用として、フロロ4lbを前提に製作しました。

2本の比較

項目FazLite仕様トルザイト仕様
ブランクスT1100-M40X 2.02m L-M同左
ガイドリングFazLiteTorzite
フレームステンレスチタン
ガイド費用約2,970円約13,970円
グリップEVA中心コルク中心
記録された完成重量約107g112g
用途ライトソルト中心バス中心

ガイドの配置はほぼ同じ構成です。

実際に比較すると、キャスト時の感覚や飛距離については明確な差を感じず、無風時のネコリグでも飛距離の差は誤差程度でした。

一方、トルザイト仕様はグリップ側の重量配分が変わっており、軽いリールを取り付けたときのバランスが良くなっています。

ただし、グリップ構成、ロッド全長、リールなどの条件にも違いがあるため、使用感の差をガイド素材だけに帰属させることはできません。

このように、同じブランクスを使用しても、パーツ構成によって完成ロッドの特徴は変わります。

トルザイト仕様の製作と比較

13. 最初の1本を完成させたら

今回の製作例では、ブランクスの選定、グリップ延長、ガイド配置、ラッピング、コーティングまでを行いました。

ロッドビルドの基本工程は、別のブランクスを使用する場合でも共通しています。

最初の製作では、グリップ延長を省略し、既製のグリップやメーカーの参考ガイド構成を使う方法もあります。

そして完成後は、実際に釣りで使用してみることで、グリップ長、重量バランス、ガイド配置、ブランクスの曲がりなどを評価できます。

次のロッドを作る際には、その結果を設計へ反映することができます。

当サイトでは、今回のT1100-M40X以外にも、さまざまなブランクスを使用したロッドの製作例と使用結果を公開しています。

ロッドビルド作品一覧

自作ロッドギャラリー

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