ロッドビルドの設計(ガイドセッティング編)

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ガイドセッティングの基本を紹介します。
富士工業のホームページに参考ガイド間隔がありますが、せっかくロッドビルドするのであれば、基本を押さえて自分なりのセッティングにしましょう。
ちなみに、ある程度適当でもなんとかなるのがガイドセッティングです。

ガイドセッティングの基本

ガイドの重量の影響

ガイドの重量で最も影響が出るのが、ティップセクションです。

基本的な考え方としては、ティップセクションのガイドを重くすれば、ロッドのしなり易くなります。
その影響として、軽量ルアーのキャストがしやすくなり、そして感度が低下します。
また、ロッド全体の先重りに影響します。
逆にティップセクションのガイドを軽くすれば、感度は上がりますが、ロッドのしなりが低下し、シャープなロッドになります。
ロッド全体の先重りは軽減されます。

【ガイドが重い】
感度低下、ロッドのしなり大、軽量ルアーのキャストがしやすい、先重りへの影響大
【ガイドが軽い】
感度向上、ロッドがシャープ、軽量ルアーがキャストしにくい、先重りへの影響小

ガイドの大きさの影響

ガイドの大きさの影響は、主にキャスティングに影響します。
ちなみに費用にも影響します。

ガイドが大きければ、それだけ糸抜けが良くなり、キャスト時の飛距離が向上し、キャストフィーリングが良くなります。

逆にガイドが小さければ糸抜けが悪くなる為、キャスト時の飛距離が低下し、キャストフィールが悪くなります。

ただし、PEの場合は、ガイドの大きさの影響はあまり受けません。
ナイロンやフロロと違って糸癖が付きにくく、糸自体が細い為、小さいガイドでも十分糸抜けが良いです。

ガイドのコンセプトでKRコンセプトなどがあり、ティップ部分のガイドを小さく揃えて、チョークガイドでチョークする事で、キャストの飛距離を伸ばすコンセプトがありますが、軽いルアーをキャストする際は、このコンセプトが生かせません、軽いルアーの空気抵抗でガイド内でラインが膨らみ、小さいガイドが抵抗になります。

【ガイドサイズ大】
キャストフィール向上、飛距離UP、値段が高い、軽量ルアーの飛距離が低下しない。

【ガイドサイズ小】
キャストフィール低下、飛距離ダウン、値段が安い、軽量ルアーの飛距離が大きく低下

ガイドの個数と間隔の影響

ガイドの個数を多くし、均等に配置した場合、ブランクスのパワーが引き出せます。
逆にガイドの個数を少なくし、均等に配置した場合は、ブランクスのパワーが低下します。
分かりやすく言うと、ガイドの個数が多い場合は、ロッドが固くなり、ガイドの個数が少ないと、ロッドが柔らかくなります。

とはいっても、最低限のガイド個数は確保する必要があります。
最低限の個数は、ニューガイドコンセプトでの個数です。
ベイト、スピニングともに、8個以上ぐらいが適正かと思います。

ガイドの間隔が開けば開くほど、その区間のブランクスパワーが低下します。

【ガイド個数多い】
ブランクスのパワーを引き出せる。ロッドが固くなる。

【ガイド個数少ない】
ブランクスのパワーが低下し、ロッドが柔らかくなる。

【ガイド間隔】
ガイド間隔が開けば開くほど、その区間のブランクスパワーが低下し、柔らかくなる。

ガイドセッティングの考え方

ガイドセッティングで重要となるのが、ティップセクションのガイドセッティングと、バットセクションのガイドセッティングです。

ティップセクションのガイドセッティングの考え方

ティップセクションのガイドセッティングは、ベイト用とスピニング用で同じ用途になります。

ティップセクションのガイドセッティングで最も影響がでるのが、感度とキャストフィーリングです。

ティップのガイドを軽く小さくすれば、それだけ感度があがりますが、軽量ルアーのキャスト性能や、シャープさから来るルアーの投げにくさが出てきます。

ガイドでもリングサイズが大きくても軽いのは、トルザイトリングです。
通常のチタンやステンレスのガイドに対して形状が上手く考えられており、サイズが一回り大きいですが、重量はかなり軽いです。
その分値段が高くなりますが、ティップセクションのガイドは結構安いので、感度が良くてシャープだけど、キャストの糸抜けは良いロッドを作りたければトルザイトのガイドがお勧めです。

ガイドのリングサイズは、ベイトロッドとスピニングロッドで考え方が異なります。ベイトロッドはスピニングロッドに比べ、ガイドサイズを小さくすることが出来ます。

ガイドのリングサイズの基本は、使用するラインで考えると良いです。
ベイトで扱うようなフロロ、ナイロンの10lb以上のラインを使う場合は、最低リングサイズを5以上にする事をお勧めします。
20lb以上は6以上にしておけば良いでしょう。
スピニングでは、5lb以上だとリングサイズを4.5~6ぐらい、4lbでリングサイズを4.5ぐらいにしておくと、キャストフィールと飛距離のバランスが良いです。
ちなみにPEの場合は、リングサイズを4にしても問題ありません。

またティップセクションのガイドは極力高さが低いガイドを選びましょう。
ガイドの高さが高いほど、ロッドが捻じれやすくなり、キャストの精度が落ちます。

バットセクションのガイドセッティングの考え方

バットセクションのガイドセッティングは、単純に飛距離UPを目指した考え方です。
特に影響が出るのがスピニング用のガイドセッティングで、スピニングリールは番手により、スプールのサイズ(直径)が変わります。
バスで使用するのであれば、2000番~3000番ぐらいまでですが、シマノの2000番のスプールで直径41mm、2500番のスプールで直径が46mmあります。
キャストする際には、この直径の上端~下端からラインが螺旋状にでるので、バットガイドを通る際に抵抗が発生します。
バットガイドが小さい場合はそこが一番の抵抗となり、キャスト時の飛距離に影響を与えます。
バットガイドが大きい場合は、抵抗が少なく、キャスト時の飛距離が伸びます。
また、バットガイドの高さもかなり重要で、バットガイドの高さが低い場合は、膨らんだラインがブランクスを叩き、飛距離が落ちます。

ガイドセッティング実践

最初に決めるチョークガイド

大まかに作りたいロッドのイメージが出来たら、次はガイドの設計です。
その際に、最初に決めるべきガイドはチョークガイドです。
チョークガイドは、キャストした際に、膨らんだラインを収束させる役割を持ったガイドで、このガイドを起点にティップセクションとバットセクションのガイド位置を決めます。
チョークガイドを設定する位置は、ブランクスを曲げた時にバット側から最も曲がる位置の起点部分です。

曲がりの起点にチョークガイドを設定する理由は、キャスト時にロッドがしなった際に、曲がりの起点付近で前後にロッドが揺れます。
ここにチョークガイドがあると、キャスト時のロッド揺れに対して、ラインの収束に極力影響を受けずにラインが収束され、飛距離に影響がでません。
チョークガイドをもう少しバット側にしても問題ありませんが、バット側過ぎるとリールからチョークガイドまでの角度が急過ぎて抵抗が増えます。

バット側のガイドセッティング

バット側のガイドセッティングは、チョークガイドに向かって、無理のない角度でラインが通る事を前提にセッティングします。

バット側のガイドセッティングのコツは、一度リールを付けてみてチョークガイドまでラインを通し、バットガイドを実際に通して無理のない角度になるように配置すれば上手く決まります。
ベイトロッドであれば、あまり気を使う必要はありません。
スピニングロッドであれば、リールのスプールの下端でラインをテープで固定した状態で確認すると上手く決まります。

ティップ側のガイドセッティング

ティップ側セッティングは、自分のお好みになりますが、実際のブランクスを曲げてみて、曲がりに合わせた配置にすればOKです。
柔らかくしたければガイドの数を減らし、固くシャープにしたければガイドの数を多く配置します。

ティップ側のガイドセッティングでロッドの性格がかなり変わるので、気に入らなければ何度もやり直して好みに合ったセッティングにしましょう。

トップガイドのセッティング

トップガイドは、ティップ側に配置したリングサイズより、少し大きめのガイドを付けましょう。
ロッドの中でトップガイドが一番揺れるガイドなので、少し大きめの方がいろいろと抵抗がなくなります。
まあここも好みの問題なのでお好きにどうぞですが、個人的には少し大きめのガイドの方が操作性が優れるロッドになります。

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