当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。レビュー内容は実際の使用感・調査内容をもとに記載しています。

ガイド重量はどこで効く?海外ビルダーがTNFでステンレスとチタンを測った結果

ガイド

BassResourceでは、チタンガイドの重量差について2006年から議論が続いています。当初は「ステンレスとの数gの差に追加費用を払う価値があるのか」という話でしたが、その後TNF(True Natural Frequency)を使ってロッドの復元特性を測るようになり、ガイド重量だけでなく取り付け位置まで議論されるようになりました。

興味深いのは、重量差の大きい大型リダクションガイドをステンレスからチタンへ変更してもTNF差が出なかったブランクがある一方、小径ランニングガイドやトップガイドでは差が測定されたことです。

2006年、チタンガイドに80ドル追加する価値はあるのか

2006年12月、「Titanium Guides」というスレッドでLucky Craft Man氏が質問しています。検討していたのは7ft・Heavy・Fastのロッドで、通常モデルは99.99ドル、チタンガイド仕様は179.99ドル。フロッグ、キャロライナリグ、軽めのスイムベイトなどに使う予定で、約80ドルの差額に価値があるのかという内容でした。

flechero氏はFujiのチタンフレームSiCを実際に使っており、軽さと強さを評価していました。一方、MickD氏は当時かなり慎重で、自作ロッドの部品を郵便用スケールで量った経験から、良質なステンレスフレームとチタンフレームの重量差は非常に小さいとしています。80ドルを使うならブランクへ回すという立場で、チタンについて「essentially overkill」とまで書いています。

ここからflechero氏が実験を持ち込みます。

ティップへ2.5g追加すると、バットには約21g必要だった

使用したのは6ft6inのMBR784。リールシート付近を支点にロッドをバランスさせたあと、ティップトップへ2.5gの1セント硬貨を取り付けます。再び同じ位置でバランスを取るために必要だったバット側の鉛は3/4oz、約21gでした。

MickD氏も、ロッド先端側の小さな重量がバット側のバランスへ大きく影響すること自体は認めています。ただし、実際のステンレスとチタンの重量差はもっと小さく、大型ガイドほどバット側に配置されるため、依然として費用対効果には否定的でした。

実際のガイド重量も比較された

flechero氏は、他のロッドビルダーが精密秤で測定したガイド重量も投稿しています。

ガイド実測重量
CLAG73.9 grains
BLAG73.7 grains
LSG73.1 grains
TLSG72.4 grains
TLSG61.9 grains

さらに同サイズ構成のスピニングガイド一式では、Titanium Frame SiCが107.5 grains、Black Frame Alconiteが158 grains。差は50.5 grains、約3.27gで、Alconite側が約47%重いという比較も出ています。

MickD氏はLSG7とTLSG7などの差をオンスへ換算し、最大でも約0.0035ozと指摘します。一方、異なるグラファイトのブランクでは0.25~0.5oz程度違うこともあり、絶対重量ではブランク差の方がはるかに大きいという評価でした。

そのうえでMickD氏は、本当に比較するなら同じブランク、同じハンドル、同じラッピング、同じ仕上げでガイドだけ違う2本を作る必要があるとしています。

flechero氏は、それに近いことも行っていました。同じロッドへガイド位置をマーキングし、一方のガイドセットをテープで仮止めしてバランスを確認。その後、同じテープを使ってチタンガイドへ交換して再度確認し、本人は差を感じたとしています。ただし、追加したバットウェイトなどの数値までは記録していませんでした。

2006年の時点では、ガイド単体重量とロッドバランスまで具体的に比較されています。ロッドの振動そのものを数値化する話は、その後に出てきます。

2022年、「データがない」という話からTNFへ

2022年の「Looking to build the lightest spinning rod possible」では、ブランク、グリップ、ガイド、ラッピング、エポキシまで含めた軽量化が議論されています。

Delaware Valley Tackle氏が、こうした軽量化による性能差について「90%にはデータがない」という趣旨の指摘をすると、MickD氏はTNFを使えば測定できると回答しました。本人の測定では、Fuji KT4のステンレスとチタンで自然振動数の差が確認でき、チタンの方が裸ブランクのTNF低下を小さくできたとしています。

2006年には秤とバランスで比較していた話が、ここでは同じブランクの動的特性を測る話に変わっています。

実際に使っていたガイド構成

同じスレッドでMickD氏は、新しいロッドへ使うガイドセットを実際に量っています。

位置ガイドフレーム
ReductionKL-H16ステンレス
ReductionKL-H8ステンレス
Transition5.5Mチタン
Choke付近KB4チタン
Runner ×5KT4チタン

9個全部で0.141oz、約4gでした。

ここで興味深いのは、軽量化を追っているロッドでも大型リダクションガイドはステンレスのままだったことです。

SkinnyWaterBasser氏からトップやガイド位置について質問されると、MickD氏は、ステンレス製トップはブランクによってTNFへの影響が大きく、ランニングガイドも影響が大きいため小径チタンを使うと回答しています。一方、XFまたはそれに近いActionではKL-Hなどのリダクションガイドは影響が小さい、あるいはほぼ無視できるとしています。

2024年、マイクロガイドではSS/Ti差を「significant」と評価

2024年9月の「Micro guide questions」では、通常サイズ、マイクロ、チタンマイクロで重量がどの程度違うのか、その差がロッドへ影響するのか、リング素材でもフィーリングが変わるのかが議論されています。

J Francho氏は、感度に対する主な影響はブランク構造だという立場でした。MickD氏もリング素材については重要視せず、感度への大きな変化としてブレイデッドラインを挙げています。一方、ガイド重量については別で、特にバットから離れた位置では影響があり、TNFで客観的に測定できるとしています。ステンレスマイクロとチタンマイクロの差については**「significant」**と表現しています。

ここまでなら、ティップ側の軽量化がTNFにも現れるという結果です。さらに同年、バット側では違う結果が報告されています。

2024年、KL-H20・10・5.5MではSS/Ti差が出なかった

「Rod components 101」では、リールシート周辺の装飾ラップの重量を巡って議論になります。

あるユーザーが、チタンガイドで3~5g軽量化しておきながら装飾ラップで同程度の重量を追加するなら整合しないのではないか、と疑問を出しました。Delaware Valley Tackle氏は、違いは重量が存在する位置だと回答します。

続いてMickD氏が、自身の測定結果を出しています。

測定したのはXFastのスピニングブランク。Fuji KL-H20、KL-H10、5.5Mのリダクションガイドについて、ステンレスとチタンの重量差を変えてもTNFには影響が出なかったとしています。

一方、トップガイドについては付加重量の位置として非常に不利とし、自身が測定したブランクではステンレスとチタンで差が出たとしています。MickD氏の説明では、XFastは通常の自由振動でバット部まで大きく曲がらないため、リダクションガイドの重量差がTNFへ現れにくかったということです。

同じ投稿では、Very SlowなフライロッドやSlow ActionのULなら別の結果になる可能性にも触れています。

TNFで確認されたガイド位置ごとの差

対象TNF測定での結果
KT4 ステンレス vs チタン差を確認
ステンレスマイクロ vs チタンマイクロ「significant」と評価
トップ SS vs Tiブランクによって測定差あり
KL-H20 / 10 / 5.5M SS vs TiXFastブランクでは差なし
Slow系のバット側重量別結果になる可能性を指摘

重量差の絶対量だけを見ると、大型リダクションガイドの材質変更は小径ランナーより大きな軽量化になります。しかし、このXFastブランクでは大型リダクションガイドのSS/Ti差はTNFに現れず、小径ランナーやトップ側では差が確認されています。

2025年、「どこまで測れるか」から「人が感じられるか」へ

2025年3月の「guide sensitivity」では、MickD氏が現在の考えをかなりまとまった形で投稿しています。

完成ロッドにおけるガイドの大きな違いは重量であり、裸ブランクのTNFを測定したあと、異なるガイドを載せて再測定すれば軽量ガイドの影響を確認できる。最小限のサイズを選び、その中でも軽いチタンフレームを使うことでTNFの低下を抑えられるという内容です。

本人がフィネスロッドで高い性能を狙う場合は、Fujiの小径チタンフレーム、通常4mmのランニングガイド、チタンフレームのトップを使用するとしています。また、スピニングロッドではランニングガイドが並ぶ外側の部分で差が最も大きいとしています。

一方、この投稿ではガイド構成によるTNF差が10%程度になる場合があるとしつつ、その差を人間が実際に感じられるのかを「big question」としています。TNFが高い方がよりcrisp、cleanなフィーリングや感度につながる可能性を述べていますが、TNF差と人間が感じる感度差を同じ数値では扱っていません。

約20年間の議論を並べるとこうなる

掲示板で出た内容
2006チタン仕様へ80ドル追加する価値を議論
2006ティップへ2.5g追加すると、同じバランスへ戻すのにバット約21gが必要
2006Ti SiC一式107.5grains、Alconite一式158grainsという重量比較
2006MickD氏はチタンを「essentially overkill」と評価
2022TNFでKT4ステンレス/チタンの差を測定
2022実際の構成ではバット側KL-HをSS、ランナー側をTiとした混成セットを使用
2024SSマイクロ/TiマイクロのTNF差を「significant」と評価
2024XFastではKL-H20・10・5.5MのSS/Ti差がTNFへ出なかった
2024トップのSS/Ti差は測定できたブランクがある
2025ランニングガイド側で差が大きいと報告
2025ガイド構成で約10%のTNF差になる場合があるが、人が感じるかは未確認

2006年にはガイド単体重量とロッドバランスを使って議論していたものが、2022年以降はTNFによる比較へ進んでいます。その測定で残っているのが、重量差の大きい大型リダクションガイドでは差が出なかったケースと、より軽いティップ側のランニングガイドやトップでは差が出たケースです。

MickD氏は2025年に「数値を持っている」としていますが、今回確認できたBassResourceの公開投稿では、裸ブランク、SSガイド、Tiガイドをそれぞれ何cpmと一覧化した生データ表までは確認できませんでした。確認できるのは、どのガイドでTNF差が出たのか、どこでは出なかったのか、Actionによって結果が変わる可能性、そして最大で10%程度の差になる場合があるという本人の報告までです。

ガイド選択の材料として見るなら、ステンレスとチタンの単体重量だけでなく、その重量がロッド上のどこに配置され、実際にTNFへ差として現れたのかまで海外の測定例が残っています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました