海外ビルダーが選ぶのは「メーカー名」だけではなく、釣りの土俵に合った番手
海外のロッドビルド界隈を見ると、よく名前が出るブランクスメーカーはいくつかに絞られます。
ただし、日本のように「このメーカーが最強」という見られ方より、どの釣りで、どの番手帯が強いかで語られることが多いです。実際、主要メーカーの現行ラインを見ると、バス・フレッシュウォーター、インショア、サーモン/スチールヘッド、サーフ、オフショア、フライといった用途別の分類がかなり明確です。
海外で特によく見かける名前を挙げると、MHX、Rainshadow、North Fork Composites、RodGeeks、CTS はかなり定番です。
さらに、上位志向や感度重視の話になると Point Blank もよく出ます。ただしPoint Blankは2025年にライン刷新・継続性を巡る話題が出ており、安定流通という意味では上の5社より少し扱いが特殊です。
まず一番よく見るのはMHX
幅広い釣りを手堅く押さえる量産定番
海外で最も広く使われている側のブランドとしては、やはりMHXが強いです。
Mud Holeの現行ラインを見ると、Elite Pro、Elite-X Spin Jig、Elite-X Mag Bass、Drop Shot、Flipping & Pitching、Steelhead、Nearshore Saltwater、Stand-Up など、かなり細かく分かれています。つまりMHXは「何でもある」のが強みで、特定の一点豪華主義というより、海外ビルダーがまず候補に入れやすい総合ブランドです。
番手で言うと、MHXは特に
ML〜MHのバス/フレッシュウォーター帯、
M〜MHの近海インショア帯、
スチールヘッド用の長めのライト〜ミディアム帯
が使いやすい印象です。ラインアップ自体がその土俵を厚く持っています。海外ではまずこの辺の番手が一番需要が大きいので、MHXがよく使われるのは自然です。
Rainshadowは番手の厚みが非常に強い
バスだけでなく、サーモン、スチールヘッド、サーフまで広い
Rainshadowは、海外ビルダーの中でかなり評価が安定しているメーカーです。
Batsonの現行分類を見ると、Eternity RX10、Immortal RX8、Revelation RX7 のようなシリーズがあり、Bass / Freshwaterだけでなく、Salmon / Steelhead、Surf、Jig / Boat、Tuna Popper、Downrigger / Multipurposeまで広く展開しています。つまりRainshadowは、番手というより釣種レンジの広さで非常に強いです。
海外でRainshadowがよく使われる番手帯は、かなりはっきりしています。
まずバス/ワーレイ系では ML〜MH。
次に北米らしいところで、サーモン/スチールヘッド向けのM〜H、しかも長めの番手。
さらにサーフやボート系では H以上 も普通に選ばれます。
つまりRainshadowは、日本で言う「バス中心のブランクメーカー」というより、北米の釣り全体に強い総合実戦メーカーとして見たほうが実態に近いです。
North Fork Compositesは上位志向でよく名前が出る
感度、軽さ、反応を求めると候補に上がりやすい
North Fork Composites、いわゆるNFCは、Gary Loomis系の文脈もあり、海外では今も非常に名前が強いです。
現行サイトでも Bass、Classics、Freshwater、Salmon/Steelhead、Salt/Slow-Jig、SwimBait/Musky、X-Ray、X-Ray Inshore などのカテゴリが並んでおり、かなり用途は広いです。特にX-Rayは、NFC自身が「最軽量・高感度側」の看板素材として前面に出しています。
番手としては、NFCは
SJ系・MB系のL〜MH帯、
サーモン/スチールヘッド系のM〜H長尺帯、
スイムベイト/マスキーのH〜XXH帯
の存在感が強いです。実際、NFCの現行ラインにはスイムベイト系だけでも 1–6oz、2–8oz、6–16oz、12–24oz といったかなり強い番手が見えます。つまりNFCは、ライト系の高感度ロッドでも使われる一方で、大型ルアーや重量級の土俵でもかなり強いメーカーです。
RodGeeksはSt. Croix系の流れで使われやすい
バス、インショア、サーフ、マスキーで分かりやすい
RodGeeksはSt. Croix系の技術背景を持つブランドとして認識されており、公式にもその関係が説明されています。
ラインは Bass 2 / 4、Inshore、Surf、HD / Musky & Saltwater、Fly、Ice とかなり整理されていて、海外のビルダーにとっては選びやすい構造です。特にBass 4は技術特化のバス用、Musky Series は強さとキャスト性能を前面に出した設計として案内されています。
番手で見ると、RodGeeksは
バスのML〜MH、
インショアのM〜MH、
サーフの長尺帯、
マスキーのH〜XH級
がよく使われるレンジです。
つまりRodGeeksは、NFCほど尖った上位素材イメージではない一方で、用途に対して分かりやすく、失敗しにくい番手選びがしやすいメーカーです。
CTSはプレミアム寄りで、サーフとフライの存在感が強い
既製番手より「高性能の仕立て」に近い
CTSはニュージーランド製の高性能ブランクとして、海外ではかなり評価が高いです。
公式サイトでは Fly、Sport Fishing、Distance / Land Based Salt などの構成があり、Flyでは Affinity X、Affinity M、Quartz、Sport側では Vapor Trail や S7 Surf などが前面に出ています。特にS7 Surfは“legendary”と表現される看板モデルで、13フィートのHatteras drum向けモデルにも触れています。
番手としては、CTSは
フライの#4〜#10前後、
サーフの長尺・中〜重量帯、
ランドベースドソルトの強番手
で強いです。
つまりCTSは、バスのMLやMを大量に組む量販的な土俵というより、サーフ、フライ、カスタム性の高いソルト系で選ばれやすいプレミアムメーカーと見たほうがいいです。実際、rodbuilding.orgでもCTSは「excellent」「custom spec で作れる」といった評価が見られます。
Point Blankは感度重視の文脈で今も強い
ただし流通面は少し注意が必要
Point Blankは、海外フォーラムや販売店の文脈では今も上位ブランクとしてよく名前が出ます。
Anglers Resourceでも高性能 blank として扱われており、販売店側でも PB731MLF や PB701MF のような定番モデルが見られます。たとえばPB731MLFは 7’3″、8–12lb、1/4–5/8oz のML Fastとして案内されています。
このメーカーでよく使われる番手は、
L〜MHのバス/ワーレイ/インショア寄り
です。
特に 6’9″〜7’6″ 前後のスピニング・ベイト用で、感度と軽さを強く求める層に刺さっています。ただし2025年には旧ラインの終了や新ライン移行の話が rodbuilding.org で出ているため、記事に書くなら「今も人気はあるが、現行流通は確認しながら見たほうがいい」と添えるのが安全です。
海外で一番厚い番手はどこなのか
実はLでもXHでもなく、中心はMLからMH
海外ビルダーの記事や商品展開をまとめて見ると、一番厚いのは極端な番手ではありません。
中心はやはり ML、M、MH です。
MHXのElite-XやMag Bass、RainshadowのBass / Freshwater、RodGeeksのBass系、Point Blankの人気モデル帯を見ると、この中心レンジが最も分厚いです。海外のバス、ワーレイ、インショア、ライトソルトの需要がこの辺に集中しているためです。
その次に海外らしい厚みがあるのが、
サーモン/スチールヘッドの長尺M〜H、
サーフの長尺中〜重量帯、
スイムベイト/マスキーのH〜XXH
です。
この辺は日本の一般的なロッドビルド情報よりずっと存在感が強いです。North Fork Composites、Rainshadow、RodGeeks、CTSの現行ラインを見ると、この大型・長尺領域の品ぞろえがかなり充実しています。
日本人が見ると意外なポイント
海外は「専用機種名」より「用途帯」で選ぶ傾向が強い
日本では、たとえば“この釣りにはこのモデル”という形で、かなり細かく専用化された完成品ロッドの感覚が強いです。
一方、海外のビルダーは blank 選びの段階で、まず
「バスのML〜MH」
「インショアのM〜MH」
「スチールヘッドの長尺M〜H」
「サーフの長尺重量帯」
というふうに、用途帯と番手のレンジで考える傾向が強いです。メーカー側の売り方自体がその構造になっています。
このため、海外で「よく使われるブランクスメーカーと番手」を見るときは、
メーカー名だけ追うより、
そのメーカーがどの土俵の番手に強いか
を見たほうが実態に近いです。
まとめ
海外でよく使われるのは、総合型と用途特化型の組み合わせ
海外でよく使われるブランクスメーカーを整理すると、かなり分かりやすいです。
MHXは、幅広い釣りを手堅く押さえる総合定番。
Rainshadowは、バスからサーモン、サーフ、ボートまで広い。
NFCは、高感度と上位志向、それに重量級のスイムベイト帯でも強い。
RodGeeksは、St. Croix系の分かりやすさと用途整理が魅力。
CTSは、サーフやフライ、プレミアムカスタム寄りで強い。
Point Blankは、L〜MH帯の高感度寄りで今も人気があるが、流通面は少し注意が必要です。
番手の中心は ML〜MH。
ただし海外らしい厚みとして、長尺M〜Hのスチールヘッド帯、サーフの重量帯、H〜XXHのスイムベイト/マスキー帯 がかなり強い。
ここが、日本のロッドビルド情報と見比べたときに最も差が出やすい部分です。

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