これは以前からの疑問で、AliExpressで売られている中華ロッドが非常に軽量で値段が安い。
一方国内のロッドは価格がうなぎ上りとなっている。
自分はロッドビルドする人間なので、基本的に吊るしロッドは購入しない為、実際の使用感については分からないが、ロッドビルダー目線で実際に使われているパーツ類などを見ながら考察しようと思う。
実際に販売している中華ロッド
基本的にエリアはやらないので、バス用やソルト用で使いそうなロッドを幾つかピックアップして価格帯を調べてみる。
標準価格ロッド
とりあえず中華ロッドには詳しく無いので、適当なロッドを幾つかをピックアップ。
①FISHING FANS GREEN BEE
4339円(送料無料)
②FISHING FANS RANCY EVO
5445円(送料無料)
③FISHING FANS RANCY 3.0
4825円(送料無料)
④LEMOREN DEMON OWL
6628円(送料無料)
軽くピックアップしてみたが、安すぎないか?
一番頭に出てきた番手での価格なので、中ではもう少し高い番手もあるが、それにしても安い。
と言う事で、もう少し高いロッドを調べてみる。
少し高め
⑤FISHING FANS
8619円(送料無料)
⑥PURELURE SEABED
9443円(送料無料)
⑦FISHING FANS RANCY 2.0 Limited Edition
9285円(送料無料)
⑧PURELURE BIKAS
10269円(送料無料)
全体的に見ても10000円を超えるロッドはかなり少ない印象で、大体FISHING FUNSのロッドがお勧めに出てくる。
辛うじてPURELUREの製品も出てくるような感じであった。
実際のパーツから見る考察
ここからが本題で、ロッドに使われているパーツがどういうもので、値段的にどうなの?と言う所を見ようと思う。
①FISHING FANS GREEN BEE
値段的にはすべての番手が5000円以下と非常に安い。
スペック的には以下の様な感じで、特に重量に拘っている感じがある。6.6ftで70g以下。

ブランクスはFULL T1100と書いてあるが、東レとは書いていないのと、T1100Gとも書いていない。
本物か分からないが、ロッドの重量を考えると、非常に軽いブランクスを使用しているは確か。

ガイド類は軽量化の為、Microガイドシステムが使われているが、こちらもFUJIガイドは使用されていない。
見た目は似ているが、フレームにFUJIの刻印が無いので、中華ガイドフレームが採用されている。

リールシートはカーボンファイバー製で、自分が普段ビルドに使っている様なパーツが使われている。
この辺りも軽量化を意識して使われている。

後は、普通にEVAグリップが採用されている。
【パーツまとめ】
ブランクス:T1100を使用(軽量&高耐久)
ガイド:中華メーカー、リングも中華メーカー(多分ステンレス)
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:EVA
コストが安い理由は日本のパーツを使っていないから?
ブランクスは一見すると東レのT1100gを使っていそうだが、説明には明記されていない。
ガイド類もFUJIを使っていない。見た目は似ているが性能は落ちる。※ただしFUJIほどの性能が要るかは別
グリップもEVAを採用してコストダウン。
リールシートも軽量なカーボン素材。これは通販で買っても1000円以下。
しかし5000円以下で作れるとは思えない様なスペック。
これだけ軽量に作るのであれば、ブランクスはさらに薄巻きのペナペナの可能性はある。
ざっくりグリップ回りだけで40g~50gぐらいありそうなので、ブランクスは20g~30g程度
以前購入したT1100+M40Xが33gぐらいだったのでそんなものか。
しかも送料無料なので、実質的には3000円ぐらい?
②FISHING FANS RANCY EVO
販売価格が5500円~6000円ぐらい。
売り切れ番手が多く、購入できるのがこのぐらいの値段帯。
スペックは以下。
先ほど紹介したGreen Beeよりは重さにこだわっていない。

ブランクスはこちらもT1100+M40Xの高弾性素材が採用されている。
相変わらず東レの表記は無い。

ガイドはFUJI工業のKガイドフレームとアルコナイトリングを採用している。

リールシートはGreen Beeと同様にカーボンファイバー製のリールシートを採用している。

グリップ回りはコルク。
ただし、少し品質が落ちるAAグレードとなっている。
【パーツまとめ】
ブランクス:T1100+M40X
ガイド:FUJI ステンレスKガイド アルコナイトリング
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:コルク(AAグレード)
全体的にみて、Green Beeよりも高級な素材が使われているが、実際には1000円程度の差しかない。
ガイド関連にFUJIのアルコナイトのKガイドが採用されているので、パーツ代としてはそれなりに高価な部類。ガイド数も多めに配置されている。
グリップもコルクが採用されているし、重量もGreen Beeよりも重いので、ブランクスの厚みは標準的で、9kgのリフトアップも出来ている。(Green Beeは6.5kg)
正直言って、これもかなり安い。
使われているパーツもブランクスもかなり高機能な素材なので、普通に釣りに使う分には破損リスクも無く、軽量で十分使いやすいと思う。
やはりコストダウンは中華製のパーツ類の使用に掛かっている感じがする。
中華ロッドビルドパーツが安価で販売されているのは、この辺りのパーツを個別に販売してくれているからか。
③FISHING FANS RANCY 3.0
販売価格は4800円~5200円ぐらい
スペック表は以下で、6.6ftのロッドを見ても重さは85g~90gぐらいと他と比べると重め。

ブランクスにはT1100S+M40Xと書いてある。
ここにも東レの明記は無い。

ガイドはFUJI工業のKガイドフレームとFazliteリングを採用している。
こちらはRANCY EVOに対して下のグレードを採用し、差別化を図っている。

リールシートはカーボンファイバー製。これはどの機種にも採用されている。
軽量で低コスト。これがFUJIでは重くなり、少し値段が上がる。

グリップ回りはEVAグリップを採用し、コストダウンを図っている。
個人的にこのロッドのデザインは恰好良いと思っている。
【パーツまとめ】
ブランクス:T1100S+M40X
ガイド:FUJI ステンレスKガイド Fazliteリング
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:EVA
Lancy EVOよりも数百円安いが、自重は10gほど重くなっている。
使っているパーツ類はLancy EVOよりも一般的には高級なパーツを使用しているが重量と言う面で見るとそこまで変わらない。
10gほど重たい理由はメタルパーツ類とEVAグリップで、ブランクスの自重も少し関係あるかもしれない。
リールシート前のフロントフードが割と重たいはずで、EVAグリップもコルクに対しては重い。
ただし、重くなっている要因がグリップ回りなので、Lancy EVOよりも重量バランスは良くなっていそう。
このロッドも5000円前後と非常に安い。FUJI工業のガイドも使っている。ガイド数も特に少ないわけでは無い。標準的と言う感じ。
正直コストダウンは謎のレベル。
大量生産と大量販売をすればここまで安く出来るのか?と言う感じか。
④LEMOREN DEMON OWL
6600円~7800円と今まで見てきたロッドよりも一段上の価格帯。
標準的な強さの662Mのスペックは以下。
自重は80g以下と結構軽い。

ブランクスはM40XT1100と、今までのロッドとは逆の表記になっているので、もしかしたら40Tカーボンが多めで、T1100(30t)シリーズがサブ的な配置か?

写真にはトレカの表記がある。トレカ(R)は東レが商標登録しているので、本物の可能性が高い。

ガイドはかなり特殊で、酸化ジルコニア製の薄型ガイドリングが採用されている。
画像ではTZと書いてあるので、Torziteか?と思わせておきながら、実体は別物のガイドとなっている。
もちろんFUJI工業の製品では無く、中華オリジナルのガイドが採用されている。

リールシートは中華あるあるのカーボンファイバー製のリールシート。
このロッドの特徴で、グリップにはカーボン繊維を編み込んだグリップが採用されている。
この様なグリップを採用しているロッドは国内でもあまり見かけない。
ちなみにリアグリップは普通のEVAとなっている。

【パーツまとめ】
ブランクス:M40X+T1100
ガイド:酸化ジルコニア製の薄型ガイドリング(ステンレス)
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:カーボン製グリップ+EVA
このロッドは一段値段が高いが、FISHING FUNSとは違い、販売数はおそらく少ない。
その為、この価格は国産に比べると安いが、劇的に安いというわけでは無い。
使われているパーツもグリップで見た目のインパクトを出しているが、実際にはグリップ部分しか特徴が無い。
使われているガイドも「TZ」を目立たせている感じで、Torziteと思わせる意図が見え隠れする。
若干ユーザを騙そうとしている感があるロッドと言う感じ。
⑤FISHING FANS AUG1014
値段は9200円~10200円ぐらい。
今まで見てきたロッドに比べると高価に見えるが、国産ロッドに比べると安い。
比較するのに6.6ftが無いので、610Mで見ると、自重が93gと他のロッドよりも重め。

ブランクスを見てみると、
なんと初めてTORAYと言う文字を見たが、文字の回りを囲んでいる’’(※アポストロフィ)が気になって念の為調べてみた。

東レのページの頭にこのロゴがあった。

中華品を見ていると、どうも疑り深くなってしまう。

と言う事で、ブランクスにはT1100G(30t)カーボンが採用されている。
ガイドはFUJIのアルコナイトのKガイドが採用されている。

リールシートについては明記が無いが、他と違い、FUJIのSKの様なセパレートリールシートが採用されている。

フロントグリップのパーツは、AAAグレードのコルクで、RANCY EVOよりも高級なコルクが使われている。

リアグリップはおそらくカーボン製で、さらにリアのエンドキャップがバランサーを内蔵できる機構が採用されており、表記の重量より、ロッドの重量バランスを考えた設計になっている。

【パーツまとめ】
ブランクス:T1100G(TORAY本物)
ガイド:FUJI ステンレスKガイドアルコナイトリング
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:コルク(AAAグレード)
全体的にみて、使われているパーツ類は高級な物が多い。
FUJIのチタンガイドを使っていないので、高価格帯ながら10000円前後に収まっているという感じ。
特に、バランサーの着脱ができる機構が搭載されているのが良い。
値段的な観点から言うと、パーツ類、ブランクスも含めて結構良い物が使われている感じがする。
着脱式のエンドキャップは国内でも存在するが、非常に高価だった記憶がある。

⑥PURELURE SEABED
価格帯は9500円~10800円と言う感じ。
重量はそれなりにあり、9ftのMLで145gになっている。
あまり、シーバスロッドは詳しくないのでこれが軽いのか判断が付かないが、他のロッドの8ftを見てみると125gぐらいなので、若干重めのロッドか

ブランクスの素材はTORAYのおそらく旧世代のカーボンを使っており、日本でも良くあるカーボンの外周補強が施されたブランクスとなっている。
ロッドが重たい理由がT1100シリーズが使われていないからか。

ガイドには日本では馴染みの無い、sea guideが使われている。
多分FUJIガイドよりも安いと思う。
HERO Hi Gradeと書いてあるので、sea guideの中では上級のガイドが使われていそう。

リールシートもPURELUREのハイエンドシリーズが使われている。

【パーツまとめ】
ブランクス:x45+90°の補強
ガイド:SEA Guide HERO
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:EVA
全体的に見ると、1世代古い素材が使われている。
特にブランクス素材がトレカT1100シリーズでは無く、旧世代のカーボンシートに補強が行われた物。
おそらく発売時期が古いロッドだと思う。
ガイドはsea guideのHEROシリーズが使われているが、これは詳しくない。FUJIガイドでは無いのでおそらく少し安いのだと思うが、一応メーカー品が使われているのでコスト的には少し上級か。
リールシートはカーボンファイバー製の軽量リールシートが使われている。
グリップレングスが長いとの説明があったが、ブランクスが重いのでバランスを取る為にグリップレングスを長くしている気がする。
メタルパーツもそれなりに使われており、ポイント(TAKAMIYA)の自社ブランドで売ってても気づかない様なロッドと言う印象。
⑦FISHING FANS RANCY 2.0 Limited Edition

価格は9100円~10500円
諸元を見ると、6.6ftのモデルで94g、96gと重量的には1世代前と言う感じ。
それでも十分軽く、100gを切る重量となっている。

ブランクスにはDongliが使われている。ちなみにDongliはTORAYの中国語読みらしい。

3DXとCross carbonが巻かれているが、やはり最新世代では無いカーボンシートが使われている。
やはり、2.0と書かれているのはロッドの世代っぽい。
3DXはカーボンパイプ部分なので、ただの柄。

ガイドについてはFUJIガイドのSICリングが採用されている。
チタンとは書いていないので普通にステンレスが採用されていると思う。

リールシートについては特に明記が無いが、ロッドの重量的にはカーボン素材が採用されていそう。
グリップ関連は、リアグリップがコルク、バットグリップがEVAとなっている。
【パーツまとめ】
ブランクス:3DX、クロスカーボン補強
ガイド:FUJI ステンSICリング
リールシート:カーボンファイバー製の軽量リールシート
グリップ:コルク+EVA
全体的にみて、少し前の世代のロッドパーツが使われている。
ブランクスはカーボンテープ補強が使われているが、元になっているブランクス素材は1世代前のカーボンシート。
ガイドはFUJIのステンSICが採用されているので、パーツ的には上位と言う感じ。
グリップ素材もコルクが採用されており、色々な部分でコストが上がる形にはなっているが、世代が古い高級ロッドと言う感じ。
パーツ類が国産ロッドと同じ感じなので、国産では2~3万円ぐらいで売られていそう。
⑧PURELURE BIKAS
値段はすべてのモデルで10300円前後
スペックを見ると、6.6ftで重量が95g、105gと他のモデルと比べると重め。

ブランクス素材には30+36Tonと書いてあり、且つnanoalloyが使われているので、東レのT1100gが使われている。
また、ブランクス補強も施されている。

ガイドにはFUJI工業のアルコナイトリングが採用されている。

リールシートも珍しくFUJI工業製が採用されている。
重量が重いのはこいつのせいかもしれない

グリップ素材はコルクでAA+グレードと言う事で、RANCY EVOとの格の違いを見せつけている。

【パーツまとめ】
ブランクス:トレカT1100
ガイド:FUJI ステンレスKガイド アルコナイトリング
リールシート:FUJI工業 ECS VSS
グリップ:コルク(AA+グレード)
このロッドはパーツ類の大部分がFUJI工業製を使っているという珍しいロッド。
日本の国内で手に入るロッドでは割と標準であるが、中華製でここまでFUJI工業パーツを使っているのは珍しい。
そのおかげで値段が高い部類に入り、1万円を超えている。
重量が他のロッドより重たいのは、リールシートの素材の違いで重量が重くなっていると思われる。
ガイドがアルコナイトリングなので、国産と比較するのは難しいが1万円と言う事を考えると他の5000円ぐらいのロッドの方が良さそうな気がする。
まとめ
今回中華ロッドを見てきたが、正直5000円台のロッドは意味が解らなくぐらい安い。
ブランクス単体で購入した場合、送料が3000円ぐらい掛かるので、実質2000円と言う事になる。
逆に1万円台のロッドに関しては、国内で販売されているロッドから換算しても、まあこれぐらいは行けるかもと言う感じであった。
大量生産でパーツ類のコストは下がるので、全世界へ販売しているなら可能かもしれない。
ロッドビルドしていると、安く販売されているブランクスでも普通に良いロッドが出来るので、5000円のロッドと1万円のロッドで同じ様なブランクスが使われているだろうと思う。
しかし、ブランクスが明らかに軽量な物は注意が必要で、超薄巻きによるペナペナブランクスの可能性が高い。
今回調査してみて一番の収穫は、ブランクス単体で買うより、中華ロッドを買って解体してブランクスだけ取り出した方が安く無いか?と思った事
それぐらい送料無料は大きい!

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